赤いスニーカー

 

 

貴女は私に背を向けて軽やかに走る。

少し離れて立ち止まっては 私に振り返り

「待って!」と言う私の顔を見ながら、貴女は笑みを浮かべ

「私ね、走るのが大好きなのよ。」

 

貴女は耳を塞いで私に言う。

「分かっているから、もう何も言わないで!」

「私の意識の中から貴方を消したいの!」

「貴方の嫌いな所いっぱいあるよ。」

「もう貴方とは 会 わ な い 。 口もきかない。」

「私ね、ちょっと夢見たかっただけなのに。」

「貴方が現実を教え過ぎるからいけないのよ。」

「もう疲れちゃった!」

 

以前のように、いつかくるりと背を向けて私の視界から走り去ると思っていたよ。

また 貴女をしあわせにしてあげられなかったね。

同じ事の繰り返し、もう何を言っても 貴女の耳にも、心にも、私の声は届かない。

とっても似合ってるよ。赤いスニーカー!