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週刊たんぽぽ通信(98/1/04)


 年末年始の暴食により手持ち資金の枯渇と、胃の調子の悪さを感じていた私は、以前から計画していた「お手軽!大根Get計画」を実行することにした。
 場所は、持石海岸の某所。畑では無いのだがどう見ても大根と思われる植物が群生しているポイントがある。これを見逃す手はない。私は、近くに車をとめトビッキリ大きい葉っぱのものを2株ほど引っこ抜き、助手席の足元に積むと疾風のように去っていったのだった。
 完璧だ。  この間わずか2分程度だろう。普段から勤勉・勤労な私を疑う者などいるはずも無い。あとは、いかにこの大根を食べるかだ。
 家に帰ってから罪の重さに耐え兼ねたのか、共犯だったはずの妻が大根を料理してくれない。(こんなもん、ほんとに食べられるの?妻の声)しかし年末年始の暴食で調子の悪くなった私の胃袋は待ってはくれない。私は、太さ6,7センチ長さ20センチ程度で葉っぱの割に小ぶりな大根を一気にすりおろし醤油をかけ、すぐさま口に含んだのである。
 「ギョエー」さまざまな事が走馬灯のように頭に浮かぶ。私のこれまでの行いは正しかったのか?自問自答を繰り返し、薄れゆく意識の中で一つの答えを見つけたのである。やはり泥棒はいけない!子どものころ「そんなことしとるとバチがあたるよ」とよく親に言われたものだが、まさにそのとおりであった。
 私の様子を見ていた妻は、箸の先にほんの少しの大根をとりぺろりと舐めたあと、こう言った。「ワサビ代わりに使えるね。また取りにゆこう!」そこには、私の苦悩とは裏腹な妻の笑顔があったのである。

 この物語はノンフィクションです。(この時の私の記憶が確かなら・・)


今週の畑

 ・なにもしていません



==>(次回へ)


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