02.12.27〜

Beyond The Door 練習日記 Act.1

 ついに始まった「とびらのむこうに」あらため「Beyond The Door」後期日程。
 そして当事者となったアタクシにおかれましては、当然現場潜入リポートを敢行すべきものと期待が自分で自分にかけておるところとなっておる次第でございますゆえ、さっそく始めてまいります。

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12月27日(金)

 仕事納め。6時から県民会館入りにしていたので、あわただしく一時帰宅。
 今回は同じPTAとなる沖田元カザン和彦から電話。
 「ちょっと遅れるかも」と言ったら「じゃ、澄川さん来るまで待ってます」と弱気な声が返ってきた。
 まあでも実際わかる。すでにチームワークもできているであろう合宿組に後から入ることになるわけで、なんか緊張‥‥転校生の気分。
 そんないつもと違う勝手の中、6時・小ホール。
 ポンちゃんナポら、顔見知りの子を頼りに現場の雰囲気をつかもうとする。
 合宿組は今朝から始動しているのだが、これから何をするのか知らされている人はいない。
 どうやらこれがイギリス流らしい‥‥。
 アレンジャーの鈴木さんと簡単な自己紹介。前回に引き続き稽古ピアノを務める沖田さんの主導で歌の練習。子どもたちも夏合宿から時間がたっているので、カンを取り戻しながらという感じ。「稽古ピアノ」と言うにはあまりにやることが多くてかなり大変そうな沖田さんであった。
 8時くらいになって、ようやく演出家のマーク登場。我々ニューカマーを一人一人回ってファーストネームで自己紹介。「ユージ]と言ったら、「オー、カンタン」とかなんとか言われた。そりゃね、たしかにアルファベットで書いたら「U.G」で済むけどね‥‥。
 それからまた歌練習。ニューカマー込みでマークの試行錯誤が始まる。
 グレートPTAの主旋律を小分けにして、そのうち一部を沖田くん・島田くんと3人で歌う。「今日やってみるだけ」とか言ってたけど、気がついたら本番でもこれで歌ってしまうんじゃねえか感なきにしもあらず‥‥。


12月28日(土)

 10〜21時の強行日程スタート。
 少し遅れて行ったら、いきなり小ホールで子どもたちがガンガンに踊っていたので、ロビーで昨日もらった改訂台本読みに専念する、そそくさ。
 それから歌練習。また曲増えた‥‥昨日、予想通りラストの2ナンバー(新曲)への参加を言い渡されたが、まあ部分的なのでいいや、と思っていたら、カザンの父母の曲にも全面的に加わることになってをいをい‥‥みたいな。まあでも歌いに来たんだからね(踊りに来たんじゃないからね。大声で言うな?)。
 午後から1幕のランスルー(通し稽古)。ニューカマーズは客席目線で見ながら、自分の曲のときは歌うという参加形態。ダイチとテツはアンダー(控え)の子だ。今回はテツとホノオの立場が逆転している(修了生はアカギ・ホノオ)のだが、テツ役の上川くんはお風邪を召したようで見学である。
 開始‥‥かなりセリフを忘れたりとばしたりしている。まあ日程も日程だし、変更は多いみたいだし、それも折り込み済で進めるのがイギリス流らしい。予想はしていたがこれまでのミュージカルとはかなり違うのでこっちもついていくのが精一杯。慣れる前に2週間終わってしまいそう‥‥。
 その後大ホールに移ってビックリ。スクールのセットが組み上がっている。「とびら」に比べると抽象的というかシンボリックというか、不思議なイメージ。
 そこで2幕クライマックスの稽古に入る。芝居付けのためにPTAと子どもたちの関係を具体的に決める。で、樹理ちゃんがアタクシの奥さんということになった。やった!○○○くんゴメン!
 樹理ちゃんといえば、キャストと音響スタッフで争奪戦になったそうで、ミヤコちゃんの誘いでキャスト参加を決めた2日後に会館の寅さんからスタッフ参加要請があったらしい。寅さんはあきらめきれず、今日も舞台袖から樹理ちゃんに「ピアノ庫(ピンマイク仕込み場所)はいつでも空いております」‥‥ちなみに他の夫婦は城市元法王沖田元カザン和彦など。
 で、うちの子どもはミオアリナで姉妹ということにしたが、ミオはララのアンダーなんだそうだ。この辺はまだなじみのない子どもたちなのだが、コミュニケーションもとりやすそうな子たちで一安心。関係の設定があって、そのガヤ芝居を考えるのは楽しい。「ビヨンド」、いいじゃん。
 それと今回は動物も使います、3匹。舞台に登場するや、そのかわいさにキャスト騒然。何かは本番を見てのお楽しみ‥‥鬼が出るか蛇が出るか‥‥!!
 沖田くんやカザン父の高木さんたちと夕飯食べに行って夜の部。
 終わりの場面付近のステージングを試行錯誤しながら行う。遅れてきた中垣内老母えっちゃんのハニーは未定であるので「おらんけえ寂しい」連発。呼んで来たら?中垣内老父。護衛は人麿信くん島田番人哲ちゃんで確定したみたいだ。島田くんは歌う機会が減って残念そう。
 全体練習終了後、衣裳のフィッティング、小ホールに沖田さんを拉致しての歌の自主練習などをして10時ごろ解散した。ポンちゃんもんまちゃんはメル友ならぬ糸電話友♪


12月29日(日)

 朝は抜き稽古につき、われら一般ピーポーは12時会館入り。もっとも熱心な人は10〜11時頃から自主練に入っていらっしゃる。
 昼休憩までの間で PTA関係の曲のステージング。「グレートPTA」のパート分けはは3日間で二転三転し、今日はアタクシも合唱パートからメロディパートへ‥‥やっぱメロディ歌うのは気持ちいい。でもこれで決定かどうかは例によって不明だ。できたらこのままにして欲しいな。
 え〜、ところでですね‥‥毎日いろんな事をやってる割には予定表みたいなものは配られないので(割とその場その場でやることを決めている)、1日終わって帰ってみると、何をいつやったのか呆れるくらい記憶に残っていない。たしか午後からやったのは1幕のPTA関係の場の場面転換だったはず‥‥我々が歌っている間に他のキャストがセットや大道具を動かして場面転換。それを客席に見せる感じでやるのだそうだ。
 それから1幕各シーンの返し稽古で少しヒマになる。旧「ラブリーミー」は発展的に消滅して新しい曲になっている。夏の公開リハで見たときは「曖昧ミー」じゃないのか、とがっかりしたものだが、繰り返し聞いているとなんか‥‥ダイチは昨日からこっちアンダーの子がやっているが、いかにもダイチという感じでかわいく(真庭ちゃんとはまたちょっと違うけど)、彼(彼女)を中心に始まる曲はなかなか感動的でいい曲だなと思うようになってきた。
 そのうち、ヘッドピースをつけてやるということになった。今回初参加のポンちゃん興奮、「ヘッドピースだよ!もんま!これであたしらもとびらっ子だよ〜!!」‥‥いやビヨンドですって。どうせ「とびら」のヘッドピースとは違うからとたしなめたところ、出てきたのはデザインド・バイ・河良先生のあの!ヘッドピースだった‥‥!!ナポがもらってきたそれには「品川」の文字が書いてあった。「前あたしが使ってたヤツ‥‥」なんかちょっとグッときました。
 午後の部おわりごろになって法王役の泉さん登場。今回は男性、しかも設定としてはけっこう年輩のようだ。泉さん自身はもともと夏の合宿でボイストレーナーとかをやった人らしい。そういえば公開リハのときの法王の声もこの人だったような‥‥。
 夕飯。用事で他のみんなと別タイミングでコンビニに行くと、演出家のマークと遭遇。「Hi!」といわれて「‥‥あ。」としか言えなかったオレってヤツは‥‥くそ‥‥いつかリベンジしてやる‥‥!しかしみんな言ってるけど「マーク、人の顔おぼえるの早いよねえ」。
 夜は1幕のランスルー。だんだんどう行動したらいいのか見えてくる。今回の「プレッシャー」は教師A・Bのデュエットだ。もとBのアタクシとしてはうらやましい限りだ。Aのアキコさんはマークの通訳も兼ねていて稽古のあいだ中走り回っているが、なんとなく初代Aの紀子さんとダブって見えてくるところもある。一方Bはミサエさんだから、アタクシとダブって見えることなどあろうはずもない。
 予定より早く8時過ぎに全日程終了したので、小ホールで台本片手に3幕のステージングの確認と歌の自主練。このへんは今回、沖田くんが取り仕切っている。口ではノリが悪いことを言いながらも行動はリーダー的だ。子どもは練習が済んでも合宿まで送迎のバスが来ないと帰れないので「♪ザワザワ〜群がる〜」している。合宿所はジャストホールだ。そのとなりのパチンコ屋さんの「パ」の字のネオンが消えていることがそんなに声を大にして言いたいのか○○○!!(←将来ある女子本人のためにあえて名前は伏せます)


12月30日(月)

 2幕9場前半のステージングから参加。11時からの予定だったのだが結局11時回ってしまった。車多くて‥‥年末である。まあその前の稽古が押していたので、間に合ったけど。
 2幕9場前半というのは旧3幕前半‥‥つまりセレモニーが進行している場面である。今回はミサキさんちのお母様がそばにいるのでご近所話の芝居をすることになる。たぶん歴代最年少のハルカさんになると思われる純子さんだが、年の割に落ち着いていると言っては失礼か‥‥ソロの歌もあるが‥‥うまい!
 宣告の場面を繰り返してるうちにリサがホントに涙を流す。彼女は20代らしいけど、丸い髪型(「さくら」の高野志穂みたいな)だけど、なんというか思いっきり「リサ」している。リサフェチのアタクシとしても夏の公開リハで見た時点ですでに太鼓判!
 2時からは小ホールに移って1・3幕の通し稽古。衣裳つきだ。
 飯食って戻ってみると、着替えた女の子たちが固まって記念撮影をしている。ちと寒そう‥‥二の腕がむき出しで、しかも中にはスカーフみたいなのが間に合わなかったらしい子がかなりいて、胸が空いている。
 男の子は今回もスパッツだ。男性着替え部屋には「劇団スパッツ団員募集中」という‥‥潔さを感じる黒板の白墨文字であった。峰雪くん(ジャンパーの背に「峰雪」と書いてある)に言わせるとアンダーシャツの裏地がチクチクするそうだ。
 だいたいにおいて今回の衣裳は間違いなく以前よりお金が掛かっている。ただ親の衣裳は見た目‥‥貧相だ。セレモニーというフォーマルな場所には似合わないんじゃないかしら‥‥?
 通し稽古は「スピードラン」とかいって、曲のテンポも速けりゃセリフも巻き巻きの文字どおりスピードランだ。途中でどんどんファーストキャストとアンダーを入れ替えるという。
 ララはアンダーのミオがスターターとなった。初めて見る我が子の勇姿‥‥同時に、ここ2年で初めて見る「ララではない」まるちゃん。なんか興味深いものがあった。リサのアンダーも初登場。すごくかわいい声&しゃべり方。たぶん声優さん志望なんじゃないかな?このリサもめっきり合格点。
 ここではカザンがマジで落涙する!そういうところを見せられるとこっちもテンションが高まってくる。
 終わって着替えて‥‥そのあと何やったか‥‥忘れた!‥‥少し時間あったはずだから何かやったはず‥‥「はず」ばっかじゃん!あ!思い出した!コンピュータで作ったオーバーチュアを聞かされたのだった。いろんなナンバーの部分部分をモチーフとして抜き出して構成してあるところは「あい地球」風。でもこれ、作ってあるということはオケじゃなくてこの音源を使うということかも‥‥。
 夕食のあとで沖田さんに呼び止められる。アレンジャーの鈴木さんが寝装用のスエットを買いたいというので某キヌヤへ連れて行ってあげて欲しいという。沖田さんの車(今どきマニュアル)に鈴木さんの運転で‥‥わしゃ単にナビかい!?と叫ぶこともなく鈴木さんのお買い物におつき合い。そこで聞いた話によると、アレなんて言うんでしょう‥‥契約しないと聞けないFM局で鈴木さんの持ってる番組があるそうで、その1月4日放送分(だったか?)で1時間まるまる「Beyond」をやるのだそうだ。聞きてえ〜〜!!ラジオと言えば、元旦11時30分からのNHKラジオ第一の全国放送で「Beyond」について生中継するそうです。テレビはないのかテレビは!?
 それから森の場面を小ホールでやるあいだ、リハ室で泉さんの放送禁止用語連続炸裂ボイストレーニング自主規制。「なにやったん?」とか聞かれても困るんだよ、ナポ。後からマークもやってきて成果発表する。終了後恒例・沖田和坊の今日のおさらい。夕方からしか来れなかったえっちゃん真剣。これまでグループ・パオやドリカンのお芝居を経験してきた彼女も、こういうミュージカルは初めてのことで、だんだん楽しさを実感し始めているようだ。


12月31日(火)

 大晦日ですよ?やるの?練習‥‥。
 森のシーンの関係者以外は2時集合。狭いリハーサル室に全員集まって発声と歌の練習だ。鏡を見ながら口を開けていたら、えっちゃんの口は我々と違って上が幅広い台形に広がっていることが発覚。もともと笑ってる口なんですね、あなた‥‥。
 で、問題はそのあとなんだが‥‥まず城市が、続いてえっちゃんがマークに呼ばれる。「お?なになに?役でも付いたの?」と冗談で言っていたら、オレも呼ばれた‥‥教育法王のアンダー‥‥なんでやねん!なんで法王やねん!と考えるのは不遜というものだが、なんで言い渡すのが今頃やねん!とは思わずにはいられなかった。ちなみに城市は管理官のアンダーを打診されてことわり(「東京行かないから」と言うが、オレだって行かないよ)、えっちゃんはオレ同様、渋々オーケーした。ま、この件についてはもっと早く打診してあったはずが手違いでそうなってなかったとかで、あとでマーク直々に謝ってきた。そうまでされたら気持ちよく引き受けざるを得ない。得ないが‥‥。
 それにしてもイギリス流のアンダースタディ制は徹底している。子役の中で、教師A・B両方のアンダーになっている子がいて、旧「管理官の歌」に代わるナンバーを練習していると加わってきて、ミサエさんと必死で動きの練習をしていた。ちなみにアレンジャーの鈴木さんは「僕は稽古ピアノのアンダーだから」‥‥あとで沖田さんにそれ言ったら驚天動地の表情してたけど。
 で、その法王の間近辺の練習のためにリハ室に缶詰になってた間、他の方は小ホールで歌練習だったようだ。戻ってみると新曲披露。なんと今回は2幕の頭にもオーバーチュアがあるらしい。それできのう聞いたヤツは1幕ラストの曲のモチーフで終わってたのね。
 練習終了。皆さまよいお年を‥‥というわけで、誰か知らないけど若いお兄ちゃんが今夜〜明日の合宿の日程を子どもたちに説明している。家に帰る子もいるようだが、あす(元日)は津和野の太鼓谷稲荷へ初詣だそうだ。いいなあ、楽しそうで。でもホノオは休んで風邪を治したいらしい。
 ちなみにまる&ポンちゃんは太鼓谷稲荷を知らないということが発覚。おまえらそれでも石見人か!?と、益田の人間ならそういう反応になるのだが、浜田ぐらいになるとそんなモンなのか?‥‥むしろその後のまるちゃんのスリッパボケとポンちゃんのツッコミがしつこくておもしろかったが、それで大丈夫なのかララ!調子にのった二人は純子さん(=母)にお年玉を要求。純子さん「あたしが欲しいわよ」‥‥。
 それと未確認情報だが、県外からきてる子の中に「慎吾ママのオハロック」に出てた子がいるらしい。誰なんだろ‥‥うちのアリナなんかそういう雰囲気あるけど。

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