03. 1. 2〜

Beyond The Door 練習日記 Act.2

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1月2日(木)

 腹筋いたい‥‥
 あ、あけましておめでとうございます。
 きのう元日は練習オフ。もっとも合宿組はNHKラジオ第一の中継のため集合していた。11時半頃オンエア。新曲の一部と、「本」をめぐるララ、ダイチ、リサ、マリ、ユキらのやりとりが全国に流れた(ユキ役の娘、うまいッス)。TVCMも見た。2年前のビデオのオープニングを合成とかして使ってるみたい。
 で、なにゆえ「腹筋いたい」のかと申せば、きょう新春いきなりワークショップだったから。振付のナツコさん指導でストレッチはまあいいとして、そのあといろんなステップが始まって、気がついたらみんな踊りまくってて、どーりでシンドイわけだ!途中からさぼりました。申し訳ござんせん‥‥。
 次!発声!これもかなり体を使わされた。それからマークにいろいろとおもしろい注文をうける。やれ同じ月生まれの人間で固まれだの、やれ身長順に並べだの、島田くんにタバコをたかられたり、殴り合ったり。読んでて訳わかんないでしょ?‥‥要はコミュニケーションの訓練ということだと思うんだけど。
 それから、自分の役がどういう人か、まわりからどう思われているかなどと紙に書かかされる。「若い奥さんで気苦労が多い」とか‥‥すいません、いい例じゃありませんでした。名前も付ける。ミヤコちゃん「SMの女王」とか書いていたらマーク「趣味は聞いてません」
 昼休憩の頃、毎度おなじみ三宅一家登場!あゆちゃん、このみちゃん、顔が変わってきた。♪女の子だもん♪(by 鮎原こずえ)あれだね、一っ番変わってないのはまるちゃんだね‥‥。
 午後、大ホールでピアノもないのにランスルー。主に照明プランのための確認用ということだが‥‥人も揃ってないので大変。アキコさんは自分の役の他、いない人のセリフも一度に何人も抱え込んでほとんど落語家さん状態で、悪いけどウケてました。カザンことヒロシくんは自分の父親の代わりをやってしまい、「身重(みおも)」を「しんちょう?」と読んで、おじさんを笑わせてくれた。ありがとう!
 それから、1幕から2幕のセット転換テスト。寅さん曰く、転換にかけるスタッフの人たちの意気込みはすごいらしいが、かなり大変そう。でもセットの作りとかを見るとなかなか良く考えてある。お客さんは気づかないだろうなあ‥‥本番まで黙ってよ。
 2幕の練習は見学&居眠りタイムと化してしまった。今回も楽器が出てくるのだが、なつかしい小道具がいくつか使われる。しかし‥‥それをそう使うか!?みたいなのも。まあ「とびら」なじみの方はその辺も楽しみに本番をご覧ください。で、気づいたんだけどまるちゃん、もともとうまい歌がさらにうまくなっている。聞けば発声法を変えたとか。たゆまぬ努力が天才を生む、というところか?
 オーケストラ(というかアンサンブル?)も今日が顔合わせのようだ。おなじみの山上さんタクマくんがいたので聞いてみると、総勢10数名ぐらいらしい。少な目‥‥まだ楽譜ができてないものもあるようだが、初見でもわりとどんどん練習は進んでいるらしい。ただ帰り際に小ホールでの練習を覗いてみたが、バイオリンとかの弦楽器が3人ぐらい入ってて、これまでの吹奏楽とは違う表情が出ている。「ビリーブ・イン・ミー」みたいな大編成ではないけど、これはこれで楽しみ。
 前回制作の渡辺さんも帰ってきた。「今回はミュージカル通信ないからね」‥‥あれ、週間だから2〜3号しか出せないッスよ、この日程だと。それとも日刊化!?


1月3日(金)

 10時、とりあえず会館に来る。
 以前も登場した峰雪くんだが髪を切ったらしい。合宿で誰かに切ってもらったらしいが、今ごろなんで急いでやるのかと思っていると、その後、ヅラかぶって登場。「サイヤ人」とかいう声が飛んでいたが‥‥彼には重要な役がキャスティングされているんだけど、新作部分につき自主規制、ごめんちゃい。
 全体的な日程では、森の場面の稽古〜取材(新聞)のための撮影。夕方にならないとPTAの出番はないということだったが、リハ室で発声、ストレッチ等をみてもらえることになった。でも発声が終わったらロビーに退散(きのうので懲りた‥‥)。するとちょうどいいところに法沢さん。以前石央文化ホールにおられたので浜田のミュージカルの話や、これからのミュージカル事業の話など有意義なトークで時間をつぶした。
 それが終わると実はもうネタ切れ。小ホールのアンサンブル練習を見ていてもいいのだが、昼食時をはさんで3時間近く空くのでいったん帰宅する。もったいないとは思うけど、まだ三が日で人も揃ってないし、自主練しようにも場所がナシ‥‥。
 2時から泉さんの指導で歌練習。このころノドの調子が悪くて、あまりいいところを見せられなかった。風邪ひかないように気をつけねば。
 それから小ホールのアンサンブルにジョイントする。
 今日いるのはドラム(山上さん)、エレキベース(タクマくん)、ピアノ(沖田さん)、フルートorティンパニソプラノorアルトサックス、そして小さめのストリングスが3名。東京から来た人も混じっているとのこと。あとチェロとコントラバスが加わるという。前回も前々回もそうだったけど、バックバンドの演奏が聞こえてくると新鮮な気持ちになるし、練習にもいっそう張り合いが出てくる。新しいアレンジの「とびらのむこうに」、新曲のイメージも広がってくる。今日はとりあえず自分たちの曲はマジで歌い、それ以外の曲も適当に歌ったが、途中でアンダーのリサやユキも新曲に加わったりして、練習になったかどうかはともかく楽しいひとときであった。
 あ、それと懸念されたオーバーチュアだが、ちゃんと生演奏するみたいです。きょうそれも練習してはったからね。

 ‥‥だんだん、お笑いを盛り込む余裕がなくなってきたな‥‥


1月4日(土)

 あしたが成人式なので、会館では練習スペースがとれない。きょうとあすは合宿組の寝泊まりにも使っているジャストホールで稽古する。去年「とびら組」のワークショップでも使用したなつかしのスペースだ。
 午前は個別練習があって我々の集合は2時。もっと練習して〜よ〜!考えたらもう一週間後は本番なんだが‥‥。
 きょうはオケ合わせ。ステージにマエストロ鈴木がいて、そちらを向いてオーケストラ、それから我々がイスを出してきて取り囲む形。Mナンバーの順にやっていくが、「クラッシュ!」はまだできてないとか‥‥え?‥‥あ、オケ用の楽譜がね‥‥ってことはオケの人もまだ練習してないということで‥‥う〜ん‥‥考えるのやめよう‥‥。
 ソロや少人数の曲は前のマイクの所に出て歌う、例の「内山田洋とクールファイブ」方式。「管理官の歌」のかわりに法王・管理官・教師が歌う曲も歌った。いちおうアンダーなんでね‥‥例によってキーが低すぎるんだが‥‥。上川くんはテツの役なんだけど、新キャラのアンダーにもなっている。でもそれが表に出たのはきょうが初めてだった。歌を聴かされると、頭の中で3年前の「こわくない」と比べてしまう。で、しみじみ“ええ男”になったのう‥‥と思いながら清涼飲料をすするのであった。
 まあそんな感じでなんだかんだと6時まで。個人的には弦楽の音を堪能して満足したけど、よく考えたら満足してる場合でもないわいな!なのにきょうはこれで練習終了。たしかにみんな、特に子どもは疲れてきてるのだが‥‥で、収まりきれず約10人で焼肉屋へ。まあこれはこれで有意義であった。雪も激しく降り出してきて、練習を早く終わらせた意味も出てきた感じ。でも我々は焼肉屋にいる‥‥意味ないジャン!!


1月5日(日)

 あ、きょう日曜日なんだ‥‥
 きょうも我々大勢口はジャストホールで2時〜6時。昨日からの雪で集まってくる大人の足にも影響が出ている。寒い。しかしそんな日もオレンジ色のTシャツがまぶしい法沢さんである。
 オケの調整の間、泉さんノドのケア教室。実験台のホノオはほとんど整体師に挑む出川哲朗と化している。「イタイイタイイタイ!」。オケはチェロとコントラバスも加わってフルメンバーがそろったようだ。しかし金管が全然いないんだよね、気のせいか寂しいものが。フルートの村上さんのまわりには他にもティンパニ、木琴系、パーカッションが取り揃えられて皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げている。新年早々お忙しい、マジで。
 結論から言うと今日もオケ合わせだけでした。そしてオケとのすりあわせ以外にやるべき変更もどんどん出てくる。カザンのソロがあるんだけど、その歌詞違いリプライズが追加されて、ヒロシくん&峰雪くん(アンダーカザン)はまだ楽譜を見ながら歌っているし、法王は気づいたらユニゾンのはずの歌でハモり出してるし、歌ってる間にカーテンコールの「とびらのむこうに」の歌詞が配られ始めてたり。ああ、これもこれから覚えないと‥‥。
 しかしそんな中にあって、変わらない山上さんのドラムが頼もしい。1幕終盤の曲のコーダで、ドラムのこれでもか!って部分がある。ここで出る拍手はほとんど山上さんに対するものといっていいだろう。山上さんの真後ろに座っているホノオ&アンダーホノオの仲良しコンビは、山上さんのクロスハンドのマネなんかしてよろこんでいる。それを見たアタクシはきのうの焼肉屋での、ハルカさんのクロスハンドを思い出していた‥‥手にしたものがだいぶ違うが。
 で、きょうのララは「スクールの先生」じゃなくて「鈴木さんみたいなロッシーニ」になりたいんだそうな。カザン「スクールのロッシーニか!」‥‥説明しよう!(ヤッターマンの富山敬のナレーション調)いざ作り出したら仕事の速い(らしい)鈴木さんは、マークから「ロッシーニ」と呼ばれているんだとか。で、誰の差し金かは知らないけど、エンディングの曲でそんなことをまるちゃんに言わせて、場の雰囲気を和ませようとか思ったんだろこのやろ!和んだけどね、みごとに。


1月6日(月)

 仕事始め。久々の長い一日を終わって、車を取りに行くときに、夕食休憩につきコンビニ方面から移動中の「ビヨンド歌劇団」ご一行様とすれ違った。6時に間に合わせるためネクタイのまま会館入り。サラリーマン2号誕生の瞬間だ。1号は人麿ノブくんだ。おくれて稽古中から合流した彼はマークからマイク越しに「グッイヴニン、ノブ」と言われていた。なお、リエさんに「見たよ〜」と言われた。彼女が手にしていたのは2年前の「とびら」のビデオであった。
 舞台スタッフの人が集まり始めた。なつかしの寺井さん、白岩神社で初共演を果たした中岡さんらがぞくぞく‥‥そしてなぜか初代オケピのリサこと小中姉。フルートの助っ人らしい。またもオケピでリサするのか?
 上川、熱でダウン。彼のアンダーはホノオのアンダーでもあった。「正直、大変っす」とはそのダブルアンダー君のコメント。その彼もどうもシンドそうだ。体調を崩している子が異常に多い。ちょっとヤバイかも。
 しかしきょうは「犬あっち行けー」が取材に来ているので、収録用の本番が優先。ララカザンは衣裳をつけて、他の子もカバン等小道具を持ってステージに上がる。オケピも組まれ、マイクテストも平行しながら、1幕後半、そして「プレッシャー」近辺を披露。教師二人、このあいだマークに「ティナ・ターナー」でやれと言われてシャウトしていたのが、きょうは何か‥‥くそ、いい表現が思いつかん!それからララカザンは客席で取材を受けていた。ここぞとばかり今回初めてマイカメラで私的メイキング撮影を敢行する。
 それから9場の稽古。きょうから照明も組まれている。えっちゃんのドタマの横からライトの洗礼、熱いやろ。今回法王はまずスクリーンに投影された状態から登場する。で、出た瞬間、心ならずも満場大爆笑大会となった。泉さん、きつ‥‥投影された顔デカイし‥‥こりゃどうも、見てるようで見ていない、いわゆる急所を外す技術がないと本番でも笑いかねない。その前にお客さんが笑うかも知れんが‥‥でも法王がアンダーになったらオレもおんなじ事を言われるわけだ。寒気がしてきた。そうなったらビデオは買わん
 久々の舞台稽古だったので前進した気はする。でもやはりせっぱ詰まってきて、仕事も始まり練習参加もままならなくなってきて、いろんな不安・不満の声が聞こえ始めてきた。正直言って自分も言いたいことはある。もし日本語の話せる演出補や演出助手がいたらその不満をぶつけるかも知れないが、そうでない状況、しかも本番直前の今、それは控えておくことにしたい。無用な混乱が起きたら、それを収めるような余裕はないと思うから。自分とその周辺でできることを最大限するだけ、そう思うことにしている。
 帰ってから本日最大のショックがオレを襲った。
「‥‥カメラにフィルム入ってなかった‥‥!!!」

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