あいと地球と競売人'04 練習日記 Act.1

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11月 3日(祝)

 オーディションから1ヶ月あまり、待ちに待った顔合わせの日が来た。
 ‥‥っても、自分はその間も川本にかよって、あい地球漬けになってたので多少語弊があるんだけど。
 午前中、「ビヨンド」で大ホールデビューを飾った中垣内老母えっちゃんから緊急Tel。
 「ミヤコさんに来いって言われたんだけど‥‥」
 充分といえば充分、でももっといたらなお良い、って感じでキャスト獲得作戦は続いていたようである。
会館の法澤さんに確認して「来て!年輩者増やしたいから!」と返信する。
 今回は大人役も高校生が多いのだ‥‥。
 で、1時半大ホール。
 悪夢の「妖怪ズ」見参!!
 (解説しよう! 「妖怪ズ」とは2年前の川本公演で結成されたプロレス新団体で(ウソ)、各地のミュージカル会場に乱入を重ねている恐怖の団体なのである!!←※富山敬の声で)
 きょうはりっちん&コンちゃん(プラスしょうしろう)の少数精鋭のようだ‥‥
 そして必然のように川本競売人・米原さんと合流。
 先週、富山県利賀村の公演で「川本あい地球」を打ち上げてきたばかりのメンバーが、益田のキャストに何をもたらすのか‥‥!?

 大ホールに入る。
 ここでの顔合わせは、ほんっとに5年前のあい地球以来だ。
 でも考えたら、最後の「とびら」顔合わせからも3年たっていて‥‥なんか久しぶりの感慨がある。「ビヨンド」はまあ‥‥あとから押っ取り刀で、って感じだったし。
 ではご参集の皆様のうち、主だったメンバーを紹介しよう。
 二人のカザン、上川&沖田。若い彼らも今では競売人の有力候補だ。
 「とびら」護衛の稲若さん、おなじくハルカの美佐恵さんらもオーディションのあとで参加が決まったらしくて、きょう初お目見え。
 「ビヨンド」組ではレジの池野さんがいる。スクール生だった彩ちゃん、アンダーリサ愛季ちゃん、アンダーホノオ松本くん、そしてポンちゃんらも今回は大人組だ。
 そして、本当にお久なのが稲岡のお母さん。5年前の妖怪以来である。還暦を迎えての勇気あるチャレンジだ。考えてみたら5年前はあの手この手でかき集められた玉石混交集団の趣だったけど、今回は少数精鋭‥‥っちゅうことにしときましょうかね。
 子供は‥‥知らない子が多い。
 ナポチハミハ姉妹、美佐恵さんちの悠花ちゃんらは「ビヨンド」からのスピンアウトだが、世代的にはこの辺が上限で(ここより上はだいたい大人)、あとは「元あまだれ」世代。なじみがないわけだ(厳密に言うと悠花ちゃんも前あまだれだし)。
 だが、じゃあミュージカルと無縁の世代かというとさにあらず。青年会議所がやっている劇団くちぶえ系のメンバーがかなりいる感じ。練習が進むにつれ頭角を現してくる子がいるかも知れない。
 他になつかしいところだと又賀瞳ちゃんとかがいる。
 あと、川本公演参加組の香織、和美、優里愛ちゃんらもいて、4馬身ぐらいリード(当社比‥‥何の)。
 指導の先生方だが、「益田あい地球色」みたいなものが出ているメンバーだねえ。
 特に初代首領・高橋先生雨の精・原先生。あ、稽古ピアノの阿知波先生もかな?音楽関係にお懐かしや系の方が多い。
 もちろん広兼先生やピアノの沖田さん師井さんら今年もよろしく(年賀状?)系メンバーもいる。
 もっとも、一番最後に出てきておいしいところを取ってしまうのは、やはりカナエ・キムラでありました。かなえ先生がいるから妖怪ズもやりたい放題‥‥キャストに混じって「好きさ」を歌いまくっている。
 益田市民吹奏楽団からは石田さんが挨拶に立っていたので、指揮をされるんだと思う。個人的には今年春先の「交響石見神楽・おろち」の‥‥楽団でひとり万葉衣裳、の指揮以来だ。
 子どもと別メニューになってから、男は二組に分けられた。高音グループは「競売人の歌」、低音グループは「♪あいつは〜見た〜」を覚えさせられ、それをひとりずつ歌ってビデオに撮る!!!のだと。女性は天使の歌を三声に別れて覚えるらしい。
 男性高音・競売人グループは会議室へ‥‥なぜかコンちゃんも。ここはやはり広兼先生だ。(当然、首領グループは高橋先生だ)5年前自分で演じたときは95年松江の布野さんを参考にしたとか、その前に捜査官をしたときはどうだったとか、「役作り」から入る歌練習ってのは、ふだん市民合唱でいつも広兼先生に教えてもらっている自分にしても新鮮なモノがある。
 新鮮といえば、おなじみ師井さんだが「初見です」。‥‥「とびら」でガンガンに稽古ピアノってもらった感覚があるから意外なんだけど、「あい地球」は見るのも初めてなら弾くのも初めてだそうで‥‥広兼先生にツッコミどころを提供しまくるわ、我々も自分が覚えるのを二の次にして応援せずにはおれなくなるわ、で大忙し。でも考えたら「とびら」のときもそうだった気が‥‥?
 そして大ホールに戻ってビデオ撮り。ホントにひとりずつ(女性は3人ずつ)である。女性は特に大変だったろうな‥‥「♪うつくし〜い思い出に〜」はソロの曲じゃないからハモるために微妙な音が多いんじゃないかと思う。実際キチンと歌えてた人も限られてたし。
 競売人グループには妖怪ズ謹製・ジョーハットをかぶって歌った人もいた。歌の前のセリフから入るので、若干芝居もつけて。で、オレの前が川本の本物・米原さん。やりにくいもんだろ〜ねぇ‥‥おれも2回目の「とびら」のオーディションで、ララパパのセリフ読むの、やりにくかったモン。で、米原さんのあとにオレ。これまたヤなもの(-_-;
 異様な緊張のビデオ撮りを終了して、よ〜見ると妖怪ズのゴミ袋を着た子どもがそこここにいる。ちょっと目を離したすきに益田も汚染が進んでいたようだ。今に始まったこっちゃないが、恐るべし川本軍団
 関係ないが、沖田くんが妖怪ズのコンちゃんを「局長!」と呼んでたので何かと思ったら、彼とコンちゃん(近藤さん)はその名字から“新撰組つながり”になってしまったらしい。“マカロニほうれん荘つながり”にならなくて何よりでした‥‥。


11月22日(土)

 中18日!!!
 先発投手なら「2軍落ちしてたの?」ぐらいのインターバルで、ようやく練習第2回目。
 先週は子どもだけ本読みをやったらしいが、上川くんはそのせまい会場に闖入して「あいちゃんっぽい子、いないっすよ」と偉そうにレポートしてくれた。男の子も何とか二人はいるようだが、元気がイマイチとか‥‥まあ、これからです。

 基本的に土曜日は午後が子ども、夜が大人。日曜日は午後から大人&子ども平行スケジュールとなった。なのできょうは6時入りすればいいんだけど、ちょっと早めに行って、子どもを見学した。
 大ホールでアルト(メゾ)の子が「すきさすきさ」を練習中。指導は「♪ぼっくらがそっらから」原先生
 1番と3番はすでに振りがついている。つい先日の川本バージョンとはまた少し違う‥‥。川本といえば、歌の面でもやはり本番をこなしてきたばかりの川本組(和美ちゃん、ゆりあちゃんら)にいまだアドバンテージがあるようだ。がんばれ!益田っ子!

 さて6時。法澤さんいわく、キャスト発表はまだ、とのこと。まあ、引っかかるかどうかは置いといてヤキモキ継続中。沖田くん「早く決めてくれんと!」と法澤さんに力説中である。「まあきみは大変だよねえ、早く決めてもらわないと」とたしなめた。なんでも、以前探りを入れたときに「セリフの多い役になりそう」という微妙な表現をされたとか‥‥「セリフが多い」って、あれしかないような気が‥‥。
 きょうは「好きさ好きさ」と「小さくても」の音取り。男の方だと「曲を知らない」って人が半分ほどいる。5年前小6だった上川くんは子どもの方で覚えてる(振り付き)ので覚え直し、ごくろうさん。
 しかし歌う方はともかく、ピアノの師井さんがまたも初見(!)「大丈夫、終わるまでには弾けるから」‥‥考えてみたらすごいっすよねえ、ピアニストって。楽譜見た日に弾けるようになるんだもん。
 男性がリハ室、女性が大ホールで練習して、最後高橋先生に合わせてもらって、若干早めに終了。
 上川と沖田の元カザンコンビは、鼻タレ10円ハゲ坊主コントの演技打ち合わせに余念がない。それを打ち上げでやる、という話ならまだしも、2場とか(「おっはよ〜」)、4場とか(汚染終わり)でやると息巻いている‥‥いかん、川本の毒が早くも‥‥。


11月23日(日)

 大人も子どもも1時から大ホール。
 川本で天使だった高校生・智恵ちゃんが初登場!
 なんで「!」なのかというと、本番直前に足を怪我してしまい、舞台に立てず悔し涙にくれたそのリベンジのスタートだからだ。幸いまだ歌の音取りの段階だから足への負担も少ないし、はやく益田の現場になれて、力を発揮してもらいたい。
 で、きょうは振付補・ミヤコちゃんのストレッチからである。5年前の時は、一般キャストはストレッチとかやった記憶がない‥‥妖怪は完全に歌の人って感じだったからか? まあ「とびら」時代を経て、今では違和感のない段取りである。きついけど、相変わらず(ToT)
 お?客席に陶山教育長の姿が‥‥なんか違和感あるな。益田あい地球生みの親として、前に出てきて言いたいこともあるだろうに‥‥そのうち言い出したりして。もしかしたら本番オケピで振ってたりして(((^ ^;
 「好きさ」「小さくても」を全員で歌って、その後別メニュー。子どもは大ホールで歌ってから本読みらしい。移動の合間にピアノの沖田さんと「まるパパ」の話になった。この益田公演は「まるパパ」に捧げるあい地球でもある。
 さあそして、大人はリハ室へ!さらに男性はロビーへ!(タライ回し)
 きょうはお待ちかね、妖怪系の歌である。ベースが少ない‥‥ってことでお約束、沖田くんにコンバート指令が出る。
 「汚染舞踏」「暗黒の妖怪」「地球競売」。自分的には川本のプレスコで(あるいは「山」の後ろで)歌ってきたばかりの何でもない曲だ。でも5年前は難儀した。ここで初心に戻るというか、新たなチャレンジ‥‥ステージに出てる人間は全員「トップ」、つまりテナーの上パートを歌うことになった。まだまだ挑戦し甲斐があるぞ、あい地球!(セカンドはプレスコの担当になる?) で、そのテナーがディビジョンする「愛〜をどこ〜かに〜」なのだが、広兼先生が「あ、難しいわこれ」と放棄してしまったので(をいをい!)次回に持ち越しってことで‥‥。
 なお、沖田&上川のコンビ名は、二人とも「カズ」なのでその複数形で「カス」と決定した。おれの一存で。そのカスだが2日目にしてエスカレーション。貴重な男の子役の広兼マーくんを「兄貴」に奉り上げ、勢力拡大の兆候だ。負けるな山根くん!「セリフ言いたくない」とか言わないで(-_- ;
 女の子はまだよくわからんが、ビヨンドのダイチ・由比ちゃん(埼玉県)に似ていると上川が太鼓判を押すマリコちゃんは、さすがにダイチ似だけあって早くも炸裂気味である、いろんな意味で。「アリナはいないな〜」‥‥いねぇだろぉなぁ‥‥。


11月29日(土)

 歌の練習だけだけど6時ストレッチからスタート。ここでその日の体力をほとんど奪われ、歌の練習に悪影響が‥‥まだまだ修行が足りないようだ(首領)。
 妖怪系の歌をパート別に音取り。ベースは前代未聞の「小ホール後ろのピアノ庫」へ。言われて一瞬わけわからず、少し考えて「あ〜あそこ‥‥え?あそこ?」‥‥余談だが、その横に「館長室」があるのをはじめて知った。山崎館長がパソコン打ってました。
 テナーはリハ室で、担当は江指先生。たしか「とびら」のときメイクのお手伝いに来てた人だと思うんだけど。その江指先生、けっこう厳しい。まだ音取りなんだが「それ自腹じゃないですよね」って、人の出っ腹指してな〜んてこと言うの、気にしてんのに‥‥でも高い音が出なくなってる。「地球競売」の上パートはキビシイッす。
 ステージで合わせに入って、館長さんもベースの助っ人に加わる。
 ここで広兼先生の「館長さんのようにダンディーだった(?)」故・平吉毅州先生ばなし。平成9年の公演の時には益田に来られたとのこと。オレはお会いできなかった‥‥でも平吉先生の楽譜はこうして我々の手に残り、歌い継がれていくのだ。だからえっちゃん、4分音符短くしないでね(^^;
 終わって4、5人で飯を食った。特に上川くんの話が興味深く、例の「99あいちゃん寿司をゴチになる」事件は実は出雲あいちゃんだけではなく、富岡あいちゃんや男の子キャストもいっしょに頂いたのだという真相暴露バナシや、その当時から続く男子の友情話などでガストの夜は更けていくのであった。
 なぜか沖田くんは出たり入ったり‥‥。


11月30日(日)

 1時、大ホール。オーディション以来の山口正義氏登場!
 そして「今日の終わりにソリストを発表します」と法澤さんからおふれが‥‥ついに来た!!緊張の4時間のスタートである。
 まず「好きさ好きさ」全員合唱。
 山口先生から「ブラボー!!」の声が出て、去年の松江のビデオ上映会を思い出してしまいました。「ブラボー」は正義ワールドのキーワードなんですね、メモっとこ。
 さて、子ども最年長で軸足が大人側に入りかけてたナポだが、見ると年少の子たちのあいだで「お姉ちゃんキャラ」っつか「お兄ちゃんキャラ?」でけっこう人気あるようだ。聞けば、女の子たちがあいちゃん希望者ずくめの中で、奇特なさとるちゃん希望者だったらしい‥‥でっかいさとるだ。川本の優くんよりデカイかも。
 ところで、この期に及んで山口先生、捜査官や死神もみんなに歌って欲しいという。男は小ホールでこの2曲の音取りが始まった。
 死神は全員トップ、捜査官は指定がなかったので、自分はバリトンを覚えた。むずかしいけどおもしろいから。で、大ホールで御前披露したところ、下を覚えたのがオレだけだったことが発覚、他の人が1回ずつ歌うのに、それについて全員分(7回)歌わされた(余談だが、沖田くんと組んだときが一番気持ちよくハモった)。これで捜査官当確?と思いきや、世の中そんなに甘くない。
 なお、上川と沖田は「いちおう歌ってもらいましょうか」などというやりとりが聞こえたのでこの時点で「ハハーン」。
 そしていよいよ5時前になり、注目のキャスト発表。確認できた範囲で申し訳ないが、まあ見ていただきましょう。

 あいちゃん‥‥松倉さん & 山口さん
 競売人‥‥沖田くん & 上川くん
 死神‥‥おれ・米原さん・石川くん組 & 池野さん・糸賀さん・稲若さん組
 捜査官‥‥松本くん・住田くん
 天使‥‥三浦さん(えっちゃん)・松永さん・熊谷さん他(計6名)
 アシュラ‥‥大谷さん
 セリフのある子ども‥‥広兼くん・山根くん・智令・視令・水津ま・ナポ・香織ちゃん・優里愛ちゃんetc

 松倉さんはあまだれとか、劇団くちぶえの経験者だと思う。山口さんってのは上川くん曰く、双子の珠ちゃん祐ちゃんの妹らしい。
 あいちゃん以外にも競売人と死神がダブルキャスト。う〜ん‥‥我がこととして考えるとけっこうダブルって大変かも。アシュラといえば2人ってのが相場だが、なんと今回は1人で、しかも還暦の大谷さん。ここ数年とは違うステージングになること必定である。
 「自分の思った役になれなかった人もいるけどゴメンね」と山口先生精一杯のお言葉だったが、会場の雰囲気がいつもと違ってくるのを感じずにはいられなかった。でも、ここから始まるのだ。気持ちも新たにみんなでがんばろう。

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