あいと地球と競売人'04 練習日記 Act.5

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1月6日(火)

 松の内はあっという間に過ぎ去り、「あい地球」も後期日程に突入した。
 きのうは汚染ダンサーの人たちが集中稽古したみたいで、用があって昼休みに事務服姿でスタッフ部屋に行ったら「あ〜、もう仕事始めだよねえ」とか言われ、帰ろうとしたらこれから練習入りの石川くんに会ったりして、うらやましくてしょうがなかった。なので気合い入りまくり、でも体は休み明けモードでたるみまくりの新年1発目。
 死神‥‥とうとう年内は山口先生にも見てもらえなかったってこともありーの、まだ見せなくて正解だったという話しもありーの、でステージングまでやるのはいつ以来だ?きょうは全部込みで広兼先生に見てもらう。
 ステージで歌うと、ハモってるのかハモってないのか全然分からない。石西の舞台は響かない‥‥という話はよく聞くが、ホンッと孤独な風が吹いてくるぐらい無反応。しばらく舞台後ろの役者だまりで自主練して(ここはよく響く)、また舞台に戻って今度はステージング込みでやる。
 やはり広兼先生には山田卓先生時代のイメージがあるのか、動きにも「死神っぽさ」みたいなものを要求される。まあ歌と雰囲気をなじませようとしたら自然にそうなるとは思うんだけど、とりあえずかなえ先生からOKもらってる芝居はまた違うので(三者三様)、多少混乱する‥‥まあ、それより歌だな、当面の課題は‥‥。
 さて年末にブレイクした競売人だが、沖田くんの方がやや先行してる模様。練習してるところをおとなしく鑑賞してやりゃ、まあいろいろやって見せてくれること。カッコつけても似合わない兄ちゃんとか、純情系とか、昔のアイドルとかさんざん言われていたが、結局本人申請の「氷川きよし」で結論がでたらしい‥‥おれ?「城みちる」って言ったんだけど、まあ一番当たってるのは「沖田和彦」かな? ‥‥そのままだが。
 そのあと女性死神がやったり、天使がやっててエッちゃんが若い天使たちを仕切まくってるシナリオ通りの光景を見たりしながら、気がつくと男どもがいない。
 なんだかロビーの方が暗い割りにやたら騒がしいので行ってみると、野郎どもがダンスビートだかヒップホップだかクラブだかハウスだかよくわからんのでテキトーにそっちで見繕ってくんな!みたいな曲をMDで鳴らしながら、ひたすらステップを踏んでいる光景に出くわしたのだった。
 捜査官住田強化プログラムの一環で、上川たちが彼の体にリズムをたたき込もうと始めたようだが、いつの間にやら6〜7人の輪になってる。試しにつられてやってみると、おもしろい!でもしんどい!でも楽しい!でもブチえらぁ!!‥‥結局オレ的には半分半分だったが(けっこう情けない(ToT))なんか異様な一体感があったのはまぎれもない事実だ。リズムってこういうもんなんだ‥‥住田もけっこう感激していたようだった。相方のしょうちゃん、そして上川、若い彼らが稽古を引っ張っていく気概を見せくれたのは、おぢさん的にも感無量でした。甘味料ではありませんでした。


1月10日(土)

 まずはぶっちゃけ!
 今日は3月10日だぁ〜〜〜!
 公演はもう終わってるぞ〜、でもここの日記は止まってるぞ〜、ってことで、ここだけは2ヶ月前の1月10日のつもりで突っ走らせていただきますので、ついて来いよエビバデ!!
 6時‥‥時間どおりに行ったんだけど、もう捜査官の二人はステージの隅で広兼先生の教育的指導を受けていた。ここのハモリはなかなか苦戦してるようだ。役者だまりに行ってみると、天使連中が、こっちは指導者もなくのんびりムードではあったが歌ってて、智恵ちゃんもフツーにその空間にいたので「なつかしいでしょこれ」と言った。やっぱ類はエンジェルを呼ぶのかねえ‥‥。
 で、発声。ひととおり「あ〜」とか「う〜」とかやったあと、Mナンバーを歌うというのだが、チョイスがおかしい。「♪泣かないで〜青い〜地球〜」で、しかも上川に曲中のあいちゃんのセリフを読めと広兼T。で、そういういい機会なのに上川‥‥すっげー事務的なの。でも殆どの人がちゃんと歌えてた。まだ練習でガンガン聞いてる状況でもないのに、なんというかみんな‥‥もしかして隠れあいちゃん志望者だらけ!?‥‥まあ歌い甲斐のある曲ではある。
 さて、今日来たときに石川くんがあらたまって「聞いてくれます?考えてきたんですけど」ってことなので、立ち稽古前に米原さんも交えて死神ミーティングになった。会場:大ホール客席後部の出口の二重扉の間の空間。ええい!「の」が多すぎるからWordのおせっかいメッセージがうるさい!‥‥取り乱してしまいました。そこでやおら石川博士は構想を書きつづった紙を拡げ語り始めたのだが、つまるところ「オアシス」としての死神の場面ではノリづらい、ということらしい。テーマに沿って、あいちゃん抹殺に対する死神の葛藤を重厚に演じたい!という思いが伝わってくる。台本までかわってしまいそうな騒ぎで、ここは結構議論が膠着した。まあ、あえてセリフを替えたりしなくても、演じ方でそういうニュアンスをこめることはできるだろう、という米さんの意見が正解なんだけど、どうせだから山口先生に話してみたら?と石川くんには言った。自分も「アナザーあい地球」を夢想している人間なので、こういう感覚って大切に思えるのだ。
 で、そんな石川くんだが、いざ立ち稽古になると、とたんに詩人の化けの皮がはがれて芸人になるから、読めねえ‥‥
 前に、本人曰く「筧利夫」って書いたけど、筧というより「ちびまる子ちゃん」の花輪くん。こうなってくるとかなえ先生も演技付けやすいんでしょうねえ、髪をいじったりする仕草がつくようです。ちなみに「ナイスアイディア」のセリフ変更は「ビヨンド」のホノオのセリフのパクリじゃん!という話もあるが、そんなことに気づいてるのはオレと松本のしょうちゃんだけ。
 その後、他のパートに舞台を譲って、ロビーでディスカッション休憩。同じくロビーで練習していた捜査官が「下パートの出だしの音はどうでしたっけ?」と聞いてくる。捜査官‥‥川本では結局本番でユニゾンになってしまったのだが、やっぱり1パート1人でハモるのって、経験がないと大変なんだよねえ。死神も人ごとではないが。
 舞台裏に行ってまた歌練習。ビブラートがどうとかいう話になったが、全然理解不能。「のぞ(川本のあいちゃん)がうまいんですよ」とは米さんの弁。
 そして、やっと汚染の振りが最後までついた。正確に言うとダンサーの人には5日に振付けされて、きょう妖怪の振りを教えてもらったのだが、このオレに回転せよというのかえ!?の状態。まあよいわ、わかんないことは桐田の孔ちゃんに聞きます!を合い言葉に何とか善処してまいります。天使のステージングも始まって、アシュラと天使の絡みは例の「お代官様」スタイル健在である。
 なお、本日理江さんに5年前のあい地球のビデオ(富岡バージョン)を進呈した。もちろん注目は「好きさ」の4番で歌いまちがって苦笑してるところを露骨に撮られている上川だ。その上川はこれからドリームカンパニーの「蒲田行進曲」の稽古に行くという。大役背負ってなお掛け持ち‥‥才能ある男はつらいねえ。


1月11日(日)

 彼女がこの場所を忘れずにいてくれたのがうれしかった。
 その日、大ホールに行くと、ステージの下でポンちゃんたちと歓談していたのが、石西ミュージカルのOBにして看板スター・三宅まるみ
 お父さんのお葬式の日以来だから、ご無沙汰といっても4ヶ月足らずなんだけど、ずいぶん大人っぽくなった気がする。「お父上に捧げるあい地球」宣言とともに、東京での活動のこととかいろいろ話を聞いた。
 思えば、彼女の成長に合わせるかのように石西ミュージカルも対象年齢が上昇していき、今回のあい地球でリセットされたような感じになっている。だから今の「子どもたち」とはかなり接点が薄くなってるのだが、やはりそこはスター。周りの子にまるちゃんのことを聞いたら「知ってる知ってる」。なんかサインもさせられたらしい。
 ところで、そのまるちゃんの発言である事実が明るみに‥‥珠貴さんあいちゃんになったって聞いたんですよ!」‥‥え? まじ?‥‥いや、それはそれで見たい気がするが、高校生で?‥‥これは推測だが、「山口さん」があいちゃんになった、という情報が、「益田で山口さんといったら珠ちゃん」という従来の固定観念によって歪曲され、元あいちゃん(アンダー)に伝わったのかも知れん。ちがう見方をすれば、その固定観念をくつがえす「姉越え」礼ちゃんに課せられた使命なのだ!‥‥でもでも、珠貴&祐貴にもアンダーで待機させとくってのもいいかもぉ♪(おい)
 そうこうするうち、時間だ。ピアノが出てたのでソデに引っ込め(発覚・彩夏あいちゃん「声低く!」)、まずはお歌のお稽古。
 「さようならみなさん」これけっこう大人の歌う曲としては重要だ。あいちゃんのソロと、天使のトリオが紡いだ2コーラスを受けて、あいちゃんを天へ導く3コーラス目。他の曲みたく妖怪の声でうなっていては始まらない。川本ではプレスコで歌ってきたのだが、益高生が大勢いるからここはどうなるか‥‥?
 その後、各ナンバーをザーッと通して、6場の稽古に突入する。ついに乱闘シーンの段取り。
 で、石川くんに「あれ誰です?」って聞かれたのが豊田まさこ先生。うん、まあ大人のあいだでは影薄いけど、ここのミュージカルで子どもといったら豊田先生なのだ。覚えておきたまへ。さとるちゃんは‥‥未来ちゃん? あ、やっぱり女の子なのね。おしいなあ‥‥ようへいまーくん‥‥。
 さてステージの上であーだこーだが始まって、おれも初めて上手で妖怪モード。そこから見てると、なんか客席の一部が暗黒の時空のねじれにつつまれているではないか!その中心に鎮座ましましているのはヤプール‥‥じゃなくて川本のニュー首領今岡ユーズィその人だ。つ、ついに益田上陸か‥‥。川本で会ってた頃は坊主頭がその筋の人っぽくて恐かったが、髪が伸びて‥‥正直、似合わねえ。
 6場で死神といえば、最近定番になってきたのが競売人の死体処理の役。3人が出てくると競売人に群がってた子どもたちが驚いて後ずさり。女性組は大変そうだが、男子組は沖田の上半身を2人で抱えて、足は地面に引きづったまま上手袖へはけてみた。
 で、まあ実際その場面に当たってみて、死神軍団計6人は思い当たったのだが‥‥
「死神って見えないんじゃなかったの?」
‥‥人間には死神は見えないのだった!はずだが、ここでは見えてる芝居が子どもたちについている。休憩になり、死神連中が死んだような顔になってしばし議論。曰く「死の矢の場面は人間界だった。6場は暗黒の世界だから状況がちがう」、曰く「ここは妖怪の一部としての死神だから‥‥」などといろいろ言ってたのだが、ご想像のとおり結論出ず。
 あとで先生からお達しが出る。「深く考えないように」‥‥って言われてもなあ〜(>_<)

 さて稽古も終わって連絡事項伝達。子どもたちの衣裳について‥‥カヨさん‥‥あなたは関係ありません。何着ようか〜?とか考えないように。今回はさとる以外にも、男の子のセリフが女子にたくさん割り当てられてるんだが、その子は男子役なのか女子役なのか?とりあえず保留とのこと。
 あいちゃんに関しては、ここ数年は赤Tシャツが定番だが、益田では未登場。で、初期の赤いワンピースについてかなえ先生が「今どきこんなのは着ねーだろ」と言ったところ、あいちゃんズからブーイング。
「あのワンピース着たい!」
‥‥やっぱ益田では未だ、あいちゃんと言えばあれなのである。もしかして復活?
 妖怪は黒シューズ調達が問題だが、女性は「とびら」で生徒用に使ったのがあるらしい。うん、妖怪にも何人かいるね、スクール卒業生。ポピュラーな進路なのか‥‥?
 5時、ソリストを残して解散。今岡首領に講評を聞いたところ「益田はみんな自己主張強いわ。川本は‥‥まだまだ弾けが足りないようだ(後半フィクション)」。で、なんか聞いたところでは、あいちゃん2人にケーキかなんか差し入れたらしい。抜け駆けしやがって‥‥あ!まさか「あいちゃん必殺ぐすり」とか入ってンじゃねえだろうな、おい?
 居残り組は自主練ぎみのメニューをこなした。
 上川がなんか振付をあいちゃんに指導してる。‥‥カヨさん‥‥あなたは関係ありません。うまくできん!とか悩まないように。競売人2号・沖田くんの「競売人の歌」はアレンジが別バージョンになるようだ。後ろの役者だまりでは、きょうもカズちゃんショウちゃんの、トシくん特訓コーナー!‥‥鏡もあるし、きょうはトシくんのお母さんもコーチ陣に加わって試練は続く。


1月12日(月)

 3連休の集中練習期間も最終日となった。個人的には毎週これぐらいやりたいもんだ。 
 われらがビッグ・ボスこと元演劇青年の大谷さんだが、彫金のご趣味もあるという。川本のTシャツ用に作った地球のマークを彫金にしたいとの仰せで、プリントしたものをお渡しした。こんなことならちゃんとデザインしとくんだったな‥‥
 だんだん子どもたちの顔も見えてきた今日この頃だが、ポンちゃん礼ちゃんを見てキャーキャー言ってる。まあ若い婦女子がキャーキャー言うのはかわいげがあっていいよね。気持ちの上では同じだが‥‥オレはやめときます(-_-;
 1時、ステージにてストレッチ開始。突然聖ちゃん「今日1周年ですよ」というので何かと思ったら「ビヨンド」のことだった。おおそうか!聖ちゃんたちには特に、あれが初でこれが2度目だからよけい感慨深いよね、うんうん。益高生軍団は年末以来の登場。山口先生はその益高の男子に混じってストレッチしている。
 さて、1場から順次ステージング。山口先生のリクエストで、上川♪ジャ〜パネット ジャ〜パネット〜 夢のジャパネット高田ぁ〜〜〜の社長トークでいくことになった。おれ社長よく知らないんだけど(^_^; 考えてみりゃ、あの「優しい心」とか「憎しみの心」のセールストークは益田初登場。余談だが、いま平成9年と11年の益田公演を振り返ってみると、松江で言うところの平成8年版が下敷きになってるっぽい。松江の台本も年を追って変遷してるけど、10〜11年ごろに現在の形が完成して、川本公演は2回ともこの最新バージョン。これを益田では今年初めてやることになる‥‥こういう書き方するとマニアックになってしまうが、結局同じバージョンは一つとして存在しない。たった一つの04あい地球益田。
 で、それを早々と実証するかのように、1場・4場とナンバーの入れ替えがかなり出てくる。段取りも久々にやったので、なんかゴチャゴチャ。6場で、競売人が妖怪マントをかぶってブリッジで様子を伺ってる(ちょっと待った〜の前)のは、松江の和田先生の演出らしい。でもこっちで騒々しくやってると、なんかよくわかんねえなぁ。
 汚染舞踏。山口先生いわく「ボクがやり始めてから、こんなに男性の声が聞こえるのは初めて」だそうだ。考えてみりゃ川本、松江は割りと小人数でやってるから、そうかも。質より量。ホメてねーじゃん、つか、ホメられろよ>おれ。
 最後の、子どもたちと首領のガチンコ対決もやる。
これも最近の約束事だが、首領の出したハンドパワーをはね返す子どもたちは、やはり誰かが掛け声できっかけを作ることになる。山口先生が「井野木和登みたいな子」がどうとか口走ってるのを聞いた。切っ掛け役、川本では井野木くんだったんです。今度こそヨウヘイに勝ち取ってほしいんだが‥‥そんな6場練習は、客席でミヤコさんちの祐美ちゃんがぐずって延々泣き続ける修羅場の中で進んだのでした(^_^;
 全体練習も終わり、夕方からはソリスト中心タイム。石川くんが山口先生と話し込んでる。土曜日の「死神熱血ドラマ編」の話をしてんだろーな。そのあと3人で後ろの役者だまりに行き、懸案の死神ハモりを練習してたら‥‥「寝起きの熊」が機嫌悪そーに入ってきた!‥‥違った、高橋先生でした(^o^;;; 表情がいかにも「しょーがねーなー、そんなんでハモってるつもりかよ」って感じだったんで‥‥(墓穴)当然、そこから猛特訓が始まったのは言うまでもない。
 ところで、初めてあいちゃんを置いて(物ぢゃない)死神のステージングをやった。男組礼ちゃんと‥‥「あれ?じぇんじぇん笑わないぞ」みたいな‥‥そのあと女性組彩夏ちゃん単独、もしくは彩夏ちゃんと礼ちゃんまとめて面倒見たところ、どっちもウケまくってたので意気しょーちんする(-_-; 意地になって礼ちゃんに「面白くなかった?」って聞いたら「おかしいけど我慢してた」と‥‥う〜ん、なんか中学生に気を使わせてしまった気分ぢゃ。まあ本番では笑われたら困るんだが。
 で、このあと、人の練習を見てたんですけど‥‥オレと石川くんは往年の「ねるとん紅鯨団」の石橋風に「おっと、あいちゃんに行った〜!‥‥あ、あいちゃん逃げた〜!!」‥‥と、ステージより客席の光景に目が釘付けだった。(すいません、意味不明かもしれないけど、これ以上詳しくはお伝えできません(>_<))
 なお、先述の「珠ちゃんあいちゃん疑惑」だが、どーも三宅家は姉妹そろって誤解してるようで、あゆみちゃんからも祐ちゃんに、そーいう主旨の誤報メールが行ってたらしい。そういうことにしといたら?どーせわかんないし(わかるわい)。

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