8.ドイツの潜水艦「ZC」は世界一ィィ!!


ZC型の1隻「U471」


ドイツは敗戦までに約1,300隻のUボートを就役させたが、その中でも最大の生産数を

誇るのがZ型である。Z型は1936年から45年にかけて709隻が建造され、

多くのサブ・タイプが存在するなど、文字通りドイツ海軍潜水艦部隊の主力だった。

Z型が誕生した背景には、1935年にイギリスとの間で締結された「海軍協定」の内容が

大きく関係していた。同条約では潜水艦の保有トン数がイギリス海軍の45%と規定されており、

ドイツ海軍はその制限トン数を最大限に有効利用する必要に迫られたからである。

砲戦中のZCドイツ海軍は、少数の大型艦を保有するよりも多数の

小型(中型)艦を保有する方を選び、排水量500t級の

Uボートの建造を決定した。こうして完成したのがZ型で、

ZC型は最初のU70が1940年3月11日に完成して以来、

ZC41型を含めて45年1月までに15ヶ所の建造所で

実に700隻近くが完成し、第2次世界大戦における

「大西洋の戦い」の主役となった。

Z型はその主船体(耐圧殻)自体が船体を構成する単殻構造を採用しているが、実際には艦首と

艦尾が外殻で覆われていた。Z型の船体両側面にはサドル式のタンクが設けられているが、

これはバラスト・タンクの容量を補うためのもので、その張り出しがZ型の外観的特徴となっている。

A〜F型までのバリエーションが存在するZ型の中で一番多く建造されたのがC型で、

1941年から45年までに628隻が建造された。ちなみに、オットー・クレッチマーや

ギュンター・プリーン等の初期Uボート・エースの乗艦はC型ではなくB型だった。

ZC型は、基本的にZB型と同じで、最大の違いは燃料搭載料が増加したことだった。また、

搭載機器も新型のものに変更されたほか、水中音響装置が搭載される等の近代化が行われている。


Uボート「ZC」諸元表
排水量(t) 769(水上)
871(水中)
全長(m) 67.13
全幅(m) 6.17
全高(m) 4.57
最大速度
(kt)
17〜17.7(水上)
7.6(水中)
航続距離
(海里)
15,740/10kt(水上)
240/2kt(水中)
燃料搭載料(t) 114
許容潜行深度
(m)
200
主機 2,800hp2軸ディーゼル機関、
750hp電動機
最大出力
(hp)
3,200(水上)
750(水中)
兵装
(魚雷)
魚雷発射管×5(艦首4・艦尾1)、
53.3p魚雷×14本
兵装
(砲)
8.8p単装砲×1、
37o単装機関砲×1、
20o連装機関砲×1
乗組員 44名
竣工年 1940〜45年
同型艦
隻数
628隻

〜参考文献〜

『グラフィックアクションbT4 大西洋の餓狼2 ドイツUボート艦隊、出撃せよ』文林堂

『グラフィックアクションbQ5 連合軍が恐れたドイツUボート 大西洋の餓狼』文林堂

『第二次世界大戦文庫9 Uボート』サンケイ出版

『世界の艦船 1982年12月号増刊 第2次大戦のドイツ軍艦』海人社


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