「ソーシャル ディスタンスからソーシャル・・・」へ
☆ 新型コロナウイルスの報道で毎日が明け暮れている。学校は休止、自宅勤 務、移動の自粛、入院患者さんや入所者への面会中止等々が続き、 緊急事 態宣言が発令されたりとかつて経験したことがないような混乱が列島全体を  覆っている。今は緊急事態宣言が解除がなされ動きも少しずつ平常に戻りつ つあるような印象だが、なかなか先は見通せない状況。
  この間、色々な言葉が政府や自治体から発せられた。曰く「ステイホーム」「 テレワーク」「ロックダウン」等々のカタカナ語。高齢の方には分かりにくい言葉 だったのではないだろうか。その中で全国的に広まったのが飛沫感染予防の ための「ソーシャルディスタンス」。
☆ これは「人と人との距離・間隔」を表している言葉。学校や、スーパーなど人 の大勢集まるところでは、人と人との間隔を保つための工夫が様々なされて  る。
  この言葉は全国で広く使われているならばこの機会に是非広げてもらいた  い言葉が「ソーシャル ウェルフェア」。「社会福祉」の原語。「社会福祉」という  言葉は元々日本には無かった言葉で、無かったということはそうした概念が日 本には無かったということ。民主主義が導入された戦後の言葉だ。
  「ソーシャル ウェルフェア」は「人と人との繋がりのなかで個々人の生き易す さや、生き易い社会を築いてゆこう」という意味を持っている。ちなみに「慈善」 はある種の上下関係のなかで施されるものだ。
  個人が他の個人との繋がり、連帯、連係することで作られるのが「社会(ソサ イアティ)」。その動きが「社交、交際(ソーシャル)」。
☆ そう言えば、最近SNS(ソーシャルネットサービス)で誹謗中傷をまともに身 に受け自らの命を絶った若い女性のことが報道されたが、何とも本当に心痛  む内容だ。あれはSNSとは言っているがソーシャルではなく一方的な誹謗中 傷。日本の今のSNSはSNSではないことを、ケータやスマホを持つ時期には 教え、学ぶことが大切のように思う。
☆ カタカナ語で言えば障害を抱える人の支援のために「支援計画」が立てられ 、その計画に基づいて「モニタリング」が実施される。
  ただポコを利用しているメンバーに「モニタリングって何?」と聞いてみると「  何のことか分からない」という応え。カタカナ語で示される言葉を利用者と支援 者が共に分かりやすい言葉に置き換える共同作業がとても必要だと思う。あ  る相談員さんに聞いたら「自分は『振り返り』 と言ってます」という応えがあっ た。いいことだなと思う。
  人は「食べ物」と「言葉」でできていると思う。言葉を大事に!! (禿) 


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