「働く」ということ
☆ 最近「働く」ということでの相談を受けることがよくある。
  その相談には「親から働くように言われるがそれがなかなか難しい」 「適職が分からない」「適職が見つからない」「一般就労につきたいのだ がなかなかその決心がつかない」「福祉就労から一般就労についたのだ が継続が難しい」等々色々。
  最近、気になるのは「就労」と「働く」ということの違いの理解の不 足と、「福祉就労より一般就労が、B型よりA型がランクが上」という 捉え方をする人に接することがままあるということ。
 
☆ 最近は福祉就労もA型、B型と区分されているが、昭和50年代、教 育権の保証から養護学校設立が義務化され、それまで就学免除、就学猶 予等で教育の場が与えれてなかった障害を抱えた子供たちが学校に通う ことが可能になった。
  問題はその子供さん、生徒さんが卒業してからのことが課題となり、 「働く権利」「社会活動への参加の権利」「文化的生活の権利」保障を旗 印に家族会等が奮闘され全国の各地に「共同作業所」が設立されました。 一番多い 時期には、全国で約5000カ所。
  それは「働く」ことは何かを考えさせられる契機にもなったように思 います。
 
☆ さて、「働く」。これは「雇われて賃金、給料を貰う」という狭い意味 ではなく、「社会的なつながりを持つ」「社会を変える」「自分を変えて ゆく」「自分を知る」を含めた大きな意味があるように思う。重度の障 害を抱えた子供さんや大人もその存在自体で社会に大きく働きかけ、親 御さんや関わる人、そして社会を変えるという大きな働きをしている。
  「働く」形態で自他を上下にみるのではな、水平にみて、その時の自 分に合った「働く」を大事にしてゆきましょう。
  
(参考) 「働」という漢字は日本で独自に作られた漢字、いわゆる国     字であることをこの文章を書くに当たって知りました。日本で     作られ、今は中国でも使っていると言うことです。中国ではど     ういう漢字を使っていたのか知っている人がありましたら教え     て下さい。 
    また、因みに「陣痛」は英語ではlabor(労働)です。(禿)

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