「一番身近な他人との出会い」
☆ 一月のある寒い日の夕方、身体を温めようと風呂に行き、何回か出入 りしたところ、そこでヒートショック状態になりました。偶々軽度だっ たこともあり、30分くらい頭を下げて座っていたらなんとか動けるよ うになりました。
  ヒートショック、言葉として、知識としては知っていましたがまさか 自分がという感じでした。
  そして入浴後、かねてから皮膚が荒れていた踝(くるぶし)から雑菌 が侵入したのか足の甲が腫れ上がり、痛くて靴を履くのも難しくなり、 寝ていても痛みがありました。
  幸いクリニックにお世話になり良くなりましたが、この経験で気付い たのは、一番自分にとって身近な他人とは自分の肉体ではないかなとい うことでした。
 
☆ 自分は自分だ、この身体を含めて自分のことはよく知っていると思っ ていましたが、前から放置していた皮膚のささくれから雑菌は侵入。皮 膚に対して申し訳なかったなぁと後悔しました。
  今回のことを振り返り、考えてみると、もし鏡がなければ、自分の顔 や表情、頭、背中、口の中も一生全く見ることは出来ないことにことに 気付かされました。
  ましてや、自分の食道、胃、内臓等そして脳も直接自分の目で見るこ とはできないことにも改めて気付かされました。
  自分の身体といってもほとんど大部分は未知、未見のもの。一番身近 な他人は自分の身体そのもので、それを大切にすることを思い知らされ た冬でした。
 
☆ ただこのことは家族にも通じるのではと感じました。
  自分の子供だから、自分の親だから、自分の家族だから分かっている、 知っているとつい思いこんでしまう部分があるのではと思います。
  一番身近な他人とは家族だと改めて気づき、新たな未知の存在として の家族を大事にしたいものです。
  
☆ 今年度も色々とご支援ありがとうございました。厚く御礼申し上げま す。来年度も息、域、笑いを大事にして、質素ながらも豊かで穏やかな 年にしてゆきましょう。
 (禿)
   
 編集後記