「新居浜ひかり物語 青いライオン」
☆ 4月のとある日の夕方、偶々テレビを見ていたら自閉症の療育に生涯 を捧げられた小児科医師河島淳子さんのことを放映していました。
それまで全く知らない人でしたが、この番組でその医師の生涯、そし てその医師から療育について両親が学び、その両親に育てられた自閉症 の子どもさんのことを知りました。
河島医師のアドバイスを受けながら身を粉にして療育に取り組んだ母 親の有希子さん、父親の和徳さんの子育てそれが映画化されたのが「新 居浜ひかり物語 青いライオン」です。昨年の11月初公開。
その子どもさんは石村嘉成さん。今は成長され、動物の絵を独特の色 彩豊かな表現で描かれ画家としてご活躍されています。
☆ 療育の成果が少しずつ感じられ始めた矢先、石村家に悲劇が襲います。 母有希子さんが病に倒れ、40歳の若さで亡くなられたのです。
その時、嘉成さんは小学校5年生でした。
「有希子の願いを叶えたい」と療育のバトンを夫の和徳さんが引き継 がれ、そして、嘉成さんの奥底に眠っていた絵の才能が目を覚ましてい ったのです。
☆ 河島淳子医師の療育の原点は、第三子が自閉症と判断されたこと。 河島医師は、勤めていた病院を辞め家庭療育に専念され、その後は自 閉症児の母親達と「わかば会」を結成され、後に「わかば共同福祉作業 所」を設立し、また発達障害のある子どもとその家族を支援する「トモ ニ療育センター」(愛媛県新居浜市)を立ち上げ発達障害のある子ども への療育に尽力され、そして今年の2月に亡くなられました。
☆ 映画は自閉症と判断された石村嘉成さんとその療育に奮闘されるお母 さん有希子さんの姿を描くドラマ部門とアーティストと活躍する嘉成さ んの現在を描くドキュメンタリー部門で構成されているようです。
☆ 新居浜市でのロングランは昨年の10月から始まり今年の6月に終了 しています。
◎ 障害(「これは生きづらさ、暮らしづらさ」を指し程度の軽重を別に すれば全ての人が有しているものだと思いますが)のある人が、共に地 域で家庭で学校、職場等で「生きる」とはどういうことなのかを考えさ せてくれる映画だと思います。見る機会があれば是非見たいと思います。
またこの益田の地で是非上映されたらと強く願うものです。 (禿)