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 タラノキはウコギ科の落葉高木で、北海道から沖縄まで日本全国に広く分布しており、森林の伐採地などに群生します。

 タラノキの若芽がタラノメで、独特のコクと軽い苦味があって、山菜の王様と呼ばれるほど美味しい山菜です。

 タラノメは、まず露地で穂木を大きく育て、翌春その穂木を切り倒し、「ふかし」と言う作業をして収穫します。「ふかし」を行うことで、頂芽だけでなく側芽もすべて利用できるようになます。

 タラノメは、栽培化が進んでいろいろな品種がありますが、「山菜パークにちはら」では側芽がすべて利用でき、切り倒しても新芽がどんどん出てきて、トゲも少なく一般的に普及している「新駒(しんこま)」を中心に説明します。
(自生のタラノメは、頂芽しか収穫できませんので、栽培には向きません。)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1年目
          ▲施肥                       施肥
           
1.種根採取
              植付
           2.(ポット用種根採取 ポット苗植付)

    3.(ポット用種根採取 ポット苗植付)
2年目
以降

          施肥                        施肥

           穂木採取   
           └ふかし
             収穫


※注意 タラノキには鋭いトゲがあるので、触れるときには溶接用手袋(軍手等はトゲが通り抜けます)をはめてくださ。(新聞紙を折り重ねてつかむこともできますが注意して作業してください。)

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栽培適地

 タラノキは全国どこでも栽培できますが、典型的な陽樹なので、日当りが良いほど大きく成長し、良いタラノメが収穫できます。

 根は過湿に弱く、降雨のたびに冠水するような場所では、根腐れしたり疫病にかかったりして枯れてしまいます。傾斜地など水はけの良い場所を選びましょう。平坦な場所に植える場合は、周辺よりも高くして深い排水溝を設けて下さい。 

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増殖方法

 タラノキの増殖方法は、根挿しがもっとも簡単確実で、1年目からある程度収穫できます。 種根を直接畑に植え付ける簡単な方法と、生育初期の除草対策と確実な萌芽の見込めるポット育苗する方法があります。

 種根は、太いほど大きな芽が出て初期成育は良いのですが、発芽率は低くなります。細いほど小さな芽になりますが、発芽率は高くなります。

 「新駒」の発芽率は、他の系統にくらべ非常に高く、経験的に、太さ4mm位の種根は90%以上芽がでます。1cm以上になると50〜60%位まで低下します。他の系統の発芽率は、新駒の70%前後まで劣ると思います。

1.種根を直接畑に植え付ける方法

  簡単ですが欠株が20%くらい発生します。
  芽が出る前に雑草の方が早く成長するので、除草が必要です。
  (芽が雑草に埋もれると、枯れてしまいます)


(1) 3月中旬に、なるべく1年生のタラノキから、根を傷つけないように掘り上げます。

(2) 黒ずんだり、傷ついたりしていないもの、4mm以上の太さのものを選別します。

(3) 15cmに切り揃えます。

(4) 畑に1.5m×1.5m間隔で、横にして5cmの深さに植え付けます。
   


2.ポット育苗

  芽が大きくなったものだけ植え付けるので、欠株がなく、
  耕運(除草)後に植え付けるので雑草の管理がらくです。


(1) 3月中旬に、なるべく1年生のタラノキから、根を傷つけないように掘り上げます。

(2) 黒ずんだり、傷ついたりしていないもの、4mm以上の太さのものを選別します。

(3) 7cmに切り揃えます。

(4) 9cmポリポットに、2cmの深さに植え付け、日陰に置きます。

(5) 土から芽が出てきて葉が伸びだしたら、日当りの良いところに移します。

(6) 土の表面が乾いたら、潅水します。
   (天気の良い日は、1日1〜2回潅水することになると思います。)

(7) 枝葉が3本になったら、畑に1.5m×1.5m間隔で移植します。
   (梅雨に入る前には移植したいですね。)

   
        これ位に成長したら、移植します。


3.さらに高度なポット育苗

  種根を加温した容器の中で発芽させ、発芽した種根をポットに植え付ける方法で、
  1ヶ月以上早く発芽させることが出来ます。
  夏の成長最盛期までに、しっかりとしたサイズになっているため、最終的には大きな
  成長の差になります。
  加温装置が必要になります。


(1) 2月中旬に、なるべく1年生のタラノキから、根を傷つけないように掘り上げます。

(2) 黒ずんだり、傷ついたりしていないもの、4mm以上の太さのものを選別します。

(3) 7cmに切り揃えます。

(4) 光を通さないフタのできる容器を用意し、乾燥防止のため濡れた新聞紙を
    1cmくらいの厚さに敷きます。

(5) 新聞紙の上に種根を並べフタをして、20℃を保つと1週間くらいで発芽し始めます。
   (熱帯魚用の加温装置で水を温め、容器を浮かべるなど、いろいろ方法はあると
    思いますが、暖かい部屋に置いておくだけでも、効果があります。)

(6) 芽が2本以上出た場合は、太く充実した芽を1本残し、他の芽は爪でかき取ります。

(7) 残した芽は、上を向くようにして下さい。

(8) 芽が1cmくらいに伸びたら、9cmポリポットに、2cmの深さに植え付け、
    暖かい部屋などの日陰に置きます。

(9) 土から芽が出てきて葉が伸びだしたら、日当りの良いところに移します。
   (ハウスなど加温できる所が理想的です。)

(10) 土の表面が乾いたら、潅水します。
    (天気の良い日は、1日1〜2回潅水することになると思います。)

(11) 枝葉が3本になったら、畑に1.5m×1.5m間隔で移植します。

(12) できれば5月初旬には移植したいですね。
     移植後、晴れの日が続く場合は、潅水して下さい。
    
     
    光を通さない容器                    芽を上に向け1cmに
    光が入ると芽がすぐに                 なったらポットに植える。
    葉になります。
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日常の管理

 1年目の初期は雑草に負けますので、必要に応じて除草して下さい。施肥は完熟堆肥を3月と7月に株元にたっぷりまいて下さい。 2年目からは雑草に負けない生育をしますので、除草は芽の出始めに行う程度で大丈夫です。

 タラノキは1年で大きく成長するぶん肥料も多く必要です。あまり肥沃でない土壌では、堆肥だけでは追いつかないことがあります。その場合は長期間肥効が持続する、緩効性の化学肥料で補うようにして下さい。 化学肥料ばかりで育てると、軟弱で病気にかかりやすくなります。補助的に使って下さい。

 タラノキの根は、地面の浅い所を横に伸びます。1年目は強い風で倒れますので、支柱を立てて結びつけておきましょう。また、根が傷つくと病気の原因になるので、用のないときには畑に入らないようにしましょう。




 タラノキ栽培では、1年目で出来るだけ大きく育てることが重要です。 1年目で大きくならなかった株は、2年目はいくら肥料を与えてもあまり大きくなりませんし、3年目もなかなか大きくなりません。

 1年目で1mくらい成長させましょう。2年目以降は、1.5mくらいに留めておいた方が良いと思います。(肥料を多く与えれば、3mにもなりますが、病気にかかりやすくなります。)

 成長の途中、肥料切れをおこすと成長が止まり、その後はいくら肥料を与えても大きくなりません。必ず追肥をして下さい。

 タラノキの大きさは、そのままタラノメの数と大きさに比例しますので、とにかく1年目で失敗しないようにしましょう。

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剪定の仕方

 タラノメを収穫する場合、タラノキ(穂木)を(芽を3個くらい残して)切り倒しますが、残された穂木の芽や株の周辺から新しい芽が複数出てきますから、20cmくらいまで伸びたところで、充実した太い芽だけを残し他の芽は剪定します。

 多くの芽を残すと、穂木が細くなり良いタラノメが取れなくなります。通常3本、多く植えている場合は2本、株の少ない場合や、間隔を広く取っている場合でも4本までとして下さい。

   
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ふかし作業

 タラノメの収穫は、「ふかし」と言う特別な方法で行います。ふかしを行うと側芽がすべて(2mの穂木なら20本くらい)収穫できます。
 

1.芽が動き出す少し前(3月)に、芽を1株あたり3個くらい残して穂木を切り倒します。

2.採取した穂木を1芽ごとに、芽の少し上を斜めに切断します。
  丸のこで切るのが楽ですが、のこぎりでも大丈夫です。

3.切断した穂木は、斜めに立てて伏せこみますので(後述)、
  切断の角度を芽が1番上になるように調整してください。
  
 
 斜めに立てる。 Bの切断角度は、Aの芽の位置を     出来上がり。
            基準に上を向くように調整します。

4.芽と芽の間隔が狭いところは、2芽で切断し下の芽はカッターナイフなどで
  深く削り取ります。
  
   2芽で切断します。    下の芽を深く削り取ります。

5.切断した穂木を発砲スチロールの箱など、水の漏れない口の広い容器に、
  芽が上になるように、斜めに伏せ込みます。
  まっすぐ立てると、芽が膨らむのに隣の穂木がじゃまになるし、
  斜めの方が、大きな芽になります。
  
 長い穂木から並べます。          横から            前から        

6.容器に5ミリ程度の深さに水を入れ、暖かい部屋のなるべく暗いところに置きます。
  明るいと芽がすぐに葉っぱになって、小さな芽になります。
  明るい部屋の場合はダンボールの箱などで囲んで、暗くして下さい。
  暗すぎると白い芽になりますので、芽の色を見ながら調節して下さい。

7.水が完全になくなったら、また5ミリの深さに水を足します。
  常に水に浸かっていると、穂木が腐る場合がありますので、
  水がなくなった時には、そのまま半日くらい穂木を乾かして下さい。
  ふかし始めて、2週間くらいで収穫できると思います。 
    

8.新駒は休眠が殆どないので、落葉したらいつでも(11月でも)ふかせます。
  暖房の効いた暖かい部屋の暗いところに置いて下さい。
  3月より早い伏せ込みは、芽の膨らみが不揃いで、小さめの芽になります。


(最も簡単な方法)
 3月に穂木を倒したら、2〜3芽ごとに切断し水を張ったバケツ等に立てて、日の当たらない場所に置きます。上の芽を収穫したら、2番目の芽が膨らみますので、また収穫します。ただし、この方法では、貧弱な芽しか採れません。

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収穫の仕方

 タラノメは葉っぱになる少し前が収穫時期です。剪定バサミ(じょうぶなハサミでも良い)で芽の根元から、えぐり取るように(穂木の皮をいしょに取るように)切り取るか、カマ(包丁でも良い)で深く削り取ります。
 

 穂木の皮の部分だけをもう一度包丁で切り取り、芽の下の茶色の薄皮をむいて調理します。
 

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食べ方

 なんといっても天ぷらが一番、薄い衣でカラッと揚げましょう。大きなタラノメは縦に半分に切るか、根元に十文字に切り込みを入れて、火の通りをよくしておきます。

 適当な大きさに縦切りして、バターでゆっくり炒め、仕上げにしょうゆで香り付けします。歯ごたえと香りが最高です。

 柔らかくなるまでゆでて、おひたしやあえものでも美味しく召し上がれます。特にごまあえがおすすめ。




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