『気まぐれ』
「すごい雨だね・・・。」
そう言いながら外を見るとバケツをひっくりかえしたような雨がしきりに降っている。
「本当ですね。テレビでは梅雨明けしたと言っていたのですが。」
隣で寝転んでいるノッポが言った。
「雨の日ってやだよなぁ〜、ジメジメするし何故か憂鬱になるし。」
「そうですか?しかし今日の雨は少し寒気がしますね。」
「そう言われればそうだね。じゃぁ窓しめようか。」
昨日の夜は暑かったんで窓を開けっぱなしで寝てたんだ。
エアコンはその・・もったいないからさ・・・。
ベットから這い出て窓を閉めに行こうとしたら、隣の奴の腕に捕まってしまった。
「ちょっと!何すんだよ、圭!これじゃ窓閉められに行かれないじゃないか!」
「それは結構。こうしていれば寒くはないでしょう?」
と圭は掛け布を掴むとバサッと僕らを包んでしまった。
「どうです?寒くはないでしょう?」
真正面にある顔がニッコリと微笑んで聞いてくる。
「ま、まあね・・・。」
「おや?どうしたのですか?顔が赤いですよ。」
「う、うるさいな!どうでもいいだろう!」
僕は真っ赤になりながら顔に触れてこようとする圭の指を払いのけた。
その・・怒ってるんじゃなくて・・・・・恥ずかしいんだよ!
「どうでも良くありません!そうですか、どうしても訳を言ってくれないのであれば・・・・。」
どうするかは行動で示してきた。
くそっ!そうはさせないぞ!絡んでこようとする指を必死の抵抗で阻止しようとするんだけど・・・。
圭との体力勝負では勝ったことがない僕はあっさりと負けてしまった。
「あっ、雨が止んでる。」
と、ふいにそんなことに気がついた。
前まで大降に降っていたような雨の音はしてこなかった。
「本当ですね。少し小降りになってきたようですよ。」
そう言ったとたん、前にもましてドシャブリの雨の音が降ってきた。
「・・・・・・・・圭って、雨男?」
「そんなことはけっしてないです!それにしても気まぐれな雨ですね。」
少し不機嫌な声で言った。「雨男」に怒ったのかな?
そんなにムキになることないのに。
僕は心の中で笑った。だって表に出すと君は必ず怒るからさ。
「そうだね、君みたい。」
「悠季〜。」
でも君と見る雨なら好きだよ、圭・・・・。
おわり
初めて書いたフジミの小説です。甘々になってしまいました(笑)
これはちょうど雨が降っている時に書いたものです。この通り止んだと思ったら
また降り始めてしまいました(涙)
まだまだ文書力がないのですが、もし良かったら感想など何でも良いのですので
いただけたら嬉しい限りです。