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なぜ宗会解散か? 宗会解散の理由
今年(平成20年)2月開催の定期宗会において問題となった宗門長期振興計画の中のポータルサイト事業について審議された財務特別委員会で審議の結果、否決すべきものと決定され、さらに財務特別委員会の審議結果をふまえて宗会本会議においても否決されました。
ところが、その宗会本会議において否決されたことが「宗門法規に違反する表決の手続きがなされたもので重大な錯誤がある」という理由で総長は宗会を解散しました。
総長の主張は正しいか?
一、財務承認議案第二十九号の宗会における否決の手続きは違法?
宗会会議規則第七十条の2「議長が起立者の多少を認し難いとき、又は議長の宣告に対して出席議員の過半数以上からの異議があるときは、議長は記名又は無記名の投票で表決をとらなければならない」とあります。
従って異議があるときは、即座に申入れをし、過半数の出席議員が同意しなければなしませんが、散会の後、すなわち議会決定が成立した後の申入れであること。またさらに議長は、総長の申入れを各会派に報告しました。しかし、各会派からは法規に従って議長が判断すればよい、という多数意見もあり、総長の申入れは受付けませんでした。
すなわち宗会議長の措置は法規にのっとって行われており、なんら瑕疵はありません。
ただ、起立採決の折、出席議員六十八人中二十六人賛成と宣言したことはまちがいでした。し たがって、あくる日に本会議において「賛成者少数のため否決」と訂正しました。これで問題ありません。
二、過去の慣例はどうか?
採決の際の過去の慣例では、議員として定められた議席に座っている議員のみが採決にくわわていました。
総局員といえども採決に加わるときは、議員輪袈裟に変換して所定の議席にもどり、採決に参加していたのです。
議長も投票の際は、わざわざ「議長は議長席から投票します」と宗会に断りを入れてから投票します。
起立採決の時は、可否同数のときはじめて、議長が採決に加わることができると定められています。
このように、議長と言えども、本来宗会議員としての議席に着座している者のみが採決に加われるのであって、総長が言っているように提案者たる当然、賛成者と数えると言うような法規も過去の慣例もありません。
今回は、総局員は全員総局側に座ったままで、採決に加わっていません。もし錯誤と言うなら、採決に加わらなかった総局員自らの錯誤であって、宗会議長の錯誤ではありません。
したがって、「宗会解散にかかる総長談話」は法規的にも慣例的にも無理があります。
議員七十八名中六十人しか議場に出席していませんでしたが、議席にいなかった議員の中には、ポータルサイト事業の決算を認めることは出来ないが、総局に対して個人的な事情から否決に回り難いため、議場から退席していた方も数人ありました。
また、総局員以外の特別職の中にも実際に採決に加わるとなると退席される議員もあるであろうことは容易に推察できることであり、それらを勘案しても実質的に過半数が否決の意思であったと言えます。
しかし何よりも、宗会の議決には法的にも慣例的にも全く問題はなく、総長が解散の理由に挙げているのは、理に反しています。
総長の責任が問われている状況を解散で逃げるための理由付けを探していたところに、ちょっとした議長のミスがあったことに付込んだというところでしょう。
ポータルサイト事業のどこに問題があったか?
一、会議の記録がない。
もともと築地別院の事業として計画されたものが途中から、大遠忌宗門長期振興計画の事業となって変わってきているのですが、その経緯など会議記録がなく、事務手続きが行われていません。
すなわち、築地別院の経費で行われるはずのものが、いつの間にか大遠忌の浄財を使って行われており、その経緯が見えない。
二、業者との契約が不適当
業者との契約が随意契約になっており、金額も適当か否かが判断できないため不明朗。
三、実績が上がっていない
一億六千万円もの浄財は費消されながら、登録会員も二百四十数名(そのうち宗務員など関係者が七十%)程度しかいなく、現在、事業はストップしています。
再開しても当初の計画達成できる見込みはとても立ちません。
四、業者選定に疑義
業者選定に当たっても別院も関知しないO氏というコンサルタントの人達の会議で決まっており、それら業者との間で、競争入札によらない随意契約が行われていました。
また、一日あたり、一人十五万円という技術料を数名のシステムエンジニアに支払う内容となっているなど理解し難いことが多い。
五、監正局長から厳しい指摘
根来監正局長は会計検査院の報告をもとに、今年七月三十一日付で総長宛に中間報告書を提出しています。それには「当職と致しましては、事実の経緯・背景・問題の複雑性に鑑み、会計検査の観点から見た問題点を指摘するにとどめた場合、全容解明に至らず、不十分とする指摘もあろうと存じ、あえて中間報告書を供覧した次第」と述べて早急に問題解明に調査を促しています。
しかし、総局は八月に一度調査員を派遣しただけで積極的な調査をしていません。これから調査をするといっていますが、今年二月の定期宗会で問題となり、七月に監正局長から指摘をされながら、八月に一度調査員を派遣しただけで、それ以外十月の定期宗会まで何もしないでいて、今頃これから調査すると言うのはあまりにも無責任です。
宗会で否決され、解散を宣言した後の記者会見では、総長は、事務上の手続きの瑕疵は大したことではない旨の発言をするなど全く、反省がないどころか開き直っているとしか言いようがありません。
事務上の手続きがとられていないことが大したことでないなら、宗務は必要ないことになります。
簡単にまとめただけでも以上のような問題点が浮上しました。
さらなる問題点は、
昨年秋の定期宗会で、この件が問題となって議論されましたが、その折、首都圏宗務センター長より委員会に説明資料として提出された計画書が総局の立案決済されたものとは違っていたことが後になって判明しました。すなわち宗会を欺いていたわけです。
今年二月の定期宗会でそれらを含めて問題点が浮き彫りになり総局は説明責任が果たせなくなってしまいました。
そこで総長から「しかるべき時期に総長として重大な政治決断をさせていただきます」という申し入れが宗会の正副議長に行われたことによって了解され、宗会は閉会しました。
しかし、その後全くその申入れを実行することなく八月の臨時宗会に至りましたが、そこでも言い逃れをするばかりで結局、責任を果たさず、今定期宗会に臨んだ訳です。
八月の臨時宗会の開催費用(およそ二千五百万円)はいったいなんだったのか、という大きな問題が残っています。
臨時宗会の案件には、新門様が全教区を御巡教いただくというものがありましたが、これは臨時宗会を開かなくても出来た案件でした。肝心なことは、本来二月の定期宗会で説明責任を果たしておかねばならないポータルサイト事業の説明と総長の責任問題でした。
宗法第三十三条に「総局は宗務の執行について宗会に責任を負う」とあるにもかかわらず、全く責任をはたそうとしない総長に対し、不信任決議案の上程が準備されていました。
おそらく、その不信任決議案が上程される前に解散に打って出たものと解されます。
武田昭英 前 安芸教区宗会議員の宗会報告より抜粋 |