**********The Moonshine 2**********
あの日を境に圭は少しおかしい。
特に満月の夜は、だ。
いつもより激しく僕を求めてくる。
本当、いったいどうしちゃったんだよ圭・・・。
僕は理由も聞けずに、3ヶ月という月日が経ってしまっていた。
「悠季、何をしているんです!」
外で月を見上げている時だった。
いつもよりすごい剣幕だ。
「ちょっと月を眺めてただけだよ。」
圭は怒りを表した足音で近付いてくる。
「外に出てはいけないとあれほど言っていたでしょう?」
そうだ。ここ数日何故か圭は、僕に外に出るのを禁止している。
その理由を僕は知らない。
「圭も一緒に見ようよ。ほら綺麗だよ?」
「ダメです。すぐに家の中に入ってください。」
「なんでだよ。ちょっとだけだよ?」
「ダメです!」
ピシャリと言われてしまった。
今日の圭は特に怖い・・・・。
「・・・・・・すみません。怒鳴ったりして・・・。」
僕は首を横に振った。
「ううん。我儘言った僕が悪いんだ。ごめんね。」
「いえ・・・・・・・。」
そう言うと圭は僕の顔に触れてきた。
切なさそうな目で。
いったいどうしちゃったっていうんだよ・・・・・。
僕はこのさい思い切って3ヶ月間溜めていた気持ちを圭にぶつけてみた。
「ねぇ圭。どうしたの?ホントへんだよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
圭は黙って僕を見つめる。
「言ってよ、圭・・・・・。」
だが返ってきた答えは
「・・・・・・悠季っ・・・・・・・。」
胸の奥から絞り出すような声と、抱きしめられただけ。
「・・・・・・圭・・・・・・・・?」
僕の声は圭の胸へと跳ね返さて、くぐもって聞こえる。
「・・・・・・どこにも行かないでください・・・・。」
どこにも行かないで?
どういうこと?
わからないよそれだけじゃ。
ねぇ圭、何が不安なの?
僕ならどこにも行かないよ?
「・・・・・・圭、僕はどこにも行かないよ・・・・・・・・・・。」
そう呟いた時だった。
空から、一筋の光が僕らを照らしたのだ。
・・・・・・・・・To be continued・・・・・・・・