********森で出会ったのは誰?編********
このお話ははるか昔のこと。
あるところにのどかで静かな街がありました。
その街の中にある一軒屋。そこには守村親子が住んでいたのです。
病気の母と15歳になる男の子が1人。その男の子の名前はユウキといいます。
ユウキはとても母親思いのある子供でした。
そんな暖かいある日のこと。
「かあさん、部屋に飾る花を森につみに行ってきます。」
「そうかい。じゃぁ気を付けて行くんだよ。森にはクマがいるからね。」
「うん、わかってる!大丈夫だからかあさんは寝ててよ。」
起きあがってこようとする母をユウキはやさしく止めた。
「陽が下がらないうちに必ず帰ってくるのだよ。」
「わかってるって!本当心配性だなぁ、かあさんは。」
そう言いながらユウキはお弁当と水筒そして花を入れるバスケット、父が残してくれた
バイオリンを用意していきます。
「じゃぁね、かあさん。いってきます。」
ユウキはゆっくりと玄関のドアを閉め、そして街の外にある森を目指して歩き出したのでした。
一方、森の方では―――。
森にはみんなから恐れられているクマがいました。
空を見上げるほどの身長、そして誰もが恐れる切れ長の瞳。
そのクマの名前はケイといいます。
ケイは退屈していました。同じ事を繰り返す毎日に。
あまりにも退屈なので、森の中を散歩しに出かけることにしました。
「おや?あそこにいるのは人間ではありませんか。」
と、ケイは花をつんでいる人間を見つけました。
「この森に人間が来るとは久しぶりですね。」
ケイは久しぶりに見る人間に興味がわきました。
そして木の陰からそっとその人間の姿を眺めます。
まだ大人になりきれていない顔。しかし子供というわけではありません。
その微妙な中間をただよう容姿でした。
その中でも特に、笑顔がすばらしい!
駆け寄ってきたウサギに対しその人間はとてもやさしい、
こちらも幸せになるような笑顔を見せます。
ケイはその笑顔、姿を見たとたん「恋」というものに落ちたのです。
「あっウサギさんこんにちは。ごめんね少しだけここの花をもらうよ。」
ユウキはそうやさしくウサギに話し掛けます。
ウサギもその笑顔に心を許したのか、ユウキの座っているそばに擦り寄ってきます。
ユウキはウサギが甘えてくる心地よさにひたりながら花をつんでいきます。
ところがその甘えていたウサギが小さな体をビクンッと
震わせユウキのそばから少し離れてしまったのです。
いきなりのことでどうしたのかなとユウキはウサギを見ます。
しかしウサギはユウキの後ろを見て怯えているだけです。
そうユウキも気が付きました。後ろに何かあると・・・。
ユウキはあまり度胸がすわっているというわけではありません。
どちらかというと臆病な方です。
でもこのまま座っていても何も事態は解決しないのです。
そこでユウキはおもいきって後ろを振り返って見ました!
振り返った後ろには、な、なんととてつもなく大きなクマがユウキを見下ろしていたのです!
花が咲く森の中ユウキはクマに出会いました。
・・・・・・・・・To be continued・・・・・・・・
気づいた方もおられると思いますが
「○のクマさん」という歌です。
でも私が覚えている歌詞は本当にあっているのやら・・・。心配です。