Part25
「苦演」〜1月16日(火)
 土日から降っていた雪だが、週が明けて交通にも影響が出ていた。きょうはリハーサル室がPTAの歌、和室で芝居、楽屋でメイク講習、大ホールでブラスと多元スケジュールなのだがやっぱり出足が鈍い。わたしは公式スケジュール的には特に何もないけど、いそいそやってきた。同じく、何もないはずなのにいそいそやってきたのはじょういち元法王。本番前のメイクスタッフとして入る決意を固めたようだ。本番は客席で見られることになったらしいので、安心して親御さんたちの仲間入り。
 発声練習してると、元管理官演出家と、その元管理官の管理をしている教師の2名編成で数年前に発足したとされる新垣夫妻が到着。3幕での教師二人のコンビネーション打ち合わせのため、MDを借りて未だ灯のともらぬロビーへ。その前にBさんのセリフを新垣さんにチェックしてもらう。まだ固まってないんだよねえ‥‥どうしよ。さて「新垣美佐の新垣美佐的こころ」、本日は「苦しむ芝居について考える」講演:新垣美佐、筋書き:新垣美佐:お囃子:はじひろし、Drive Your Dreamのトヨタ自動車の提供でお送りいたします。生徒との戦いで劣勢になる場面だが、いつも行き当たりばったりで練習してても固まらないので、作り込もうということになった。率直にいって誰も注目はしないであろう芝居だが、そこはそれ、演ってる側の気持ち的に‥‥美佐さんの台本にぎっしり書き込まれた個条書きシナリオ&絵コンテを見よ。
 PTAの歌練習。歌唱指導としては前回はララ&カザンぐらいしか関わってなかった松島先生だが、今回は広兼先生とツートップ体制で徐々にキテる感じ。青戸さんに「あなたの娘は“出雲さん”じゃありません。“ルミ”ですよ」などと芝居がかってきた。近ごろでは学校で仕事中も教師Aが憑依してきているそうで、思わずポイント2を減点してしまいそうなのだ。気づいたらどさくさに紛れてクラッシュ隊に入隊してるかも知れないので要注意。しかしその松島先生が専属ボイストレーナーと化してるおかげで、小川さんが本調子に戻ってきた。思わず「あの先生は若いのにすごい」と、年輪を感じさせるつぶやきを落としている今日この頃の小川さんであった。
 楽屋を覗いてみると、史香さんはもうメイクを落としたあとだった。一人メイク顔でいるのは、メイクする側のはずの元法王‥‥なんでだよ?意図がわかんねーよ。

「回転」〜1月18日(木)
 リハーサル室で歌&ダンス練習‥‥のはずなのだが、行くと管理官、番人、マサトの男ばっかりで芝居の抜き稽古。植田さん、永田さんの両演出助手がチェックしている。あまりにムサイので通路に出てダンスの、特に回転の練習を孤独にした。回転っていうのは不思議なもので、練習すればするほどヘタになっていく。自分だけかと思っていたがそうでもないようで、どうやら直前に回った影響が耳の中の三半規管に残ってしまうからではないのか?という説を唱えたのが教師Aである。「三半規管は学習能力高いから、くり返し練習したらなれますよ」ということなのだが‥‥たぶん個人差あるよね、三半規管も。
 8時からPTA中心に「クラッシュ!」などを練習する。片隅で広兼先生がモトくんに「管理官の歌」の指導をしていたが、なにやら「ヤマト」の歌を引き合いに出して、こんな感じで‥‥なんて言ってる。モトくんにヤマトが分かるのか?とイブカッたが、別のときに「笑って許して」とか「喝采」とか鼻歌ってたから、世代的に納得いかんがノープロブレムのようだ。「喝采」といえば、この間のメイクのときに教師Aがホクロをつけたところ、ちあきなおみが降りてきたらしい。しつこく歌っていた。
 きょうもメイク講習があるので、ひととおり練習終わったところで楽屋に冷やかしに行く。きょうはPTA&ヘビの精だ。兼務の人は変身の練習もしないといけない。参考用&ごんどう先生へのお披露目用に写真を撮るのだが、ボーッとしてたら渡辺さんにカメラ担当を言い渡されてしまった。これじゃ適当なときに帰れない‥‥しかも前半はほとんどミヤコさん専属カメラマンの様相を呈してしまった。ちょっと塗っては「撮って」‥‥これのくり返し。まあ他の人も、不慣れな人か凝りまくる人のどっちかなので全体的に遅々として進まない。真月さんなんかファンデーションを塗って剛力招来、メイクアップして超力招来、イナズマンもまっさおの二段変身の達人だ。鏡に映った姿を見て真月さんだと分からなかったのはわたしだけではない。稲若さんまで「アレ誰ですか?」‥‥ね?そうでしょ?
 高校生たちもいるので多田先生も手が回らず、やっぱり時計の針がてっぺん近くまできてしまった。大達っちゃんやしっちゃんはメイクを落とさずに帰るというので、そのまま団体でコンビニに行ってPRしてくるように指導した。

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