Part29
「座敷」〜1月26日(金)
夕方6時からの変則メニュー、平日に通し稽古の時間をとるためだ。着いたときには6時を回っていたが、舞台は仕込み中だけど客席ガラーン。‥‥子供までいないなんて‥‥なぜだ?探し回ると、みんな(大人はまだ少なめだったが)楽屋の方で説明を受けていた。本番まで通しての楽屋割りが決まって、舞台との間で出入りするときの注意とかを説明されてたみたいだった。
ほどなくしてステージに移動しストレッチ&発声に入ったのだが、どっかで見た人が松島先生たちと一緒にいるなあ、なんか目になじんだ組み合わせだなあと思ってよく見ると、市民合唱でピアノを弾いてもらっている牛尾先生だった。どうやら影コーラスの助っ人に引きずり込まれたらしい。広兼音楽監督のもと、よくもまあこれだけ市民合唱路線で固まったなという音楽担当セクションであるが、この娯楽の殿堂へ(パチンコ屋じゃないよ)ようこそ牛尾先生。やりましょやりましょ、楽しいことは一緒にやりましょ。
通しが始まる前に荷物を楽屋へ移動する。今回は107号室だ!なんで「!」かというと、ここだけ畳敷きなのだ。去年は女性キャストに割り当てられていて禁断の大奥と呼ばれたりはしなかったが、ひそかにあこがれのスポットだったのだ。ゴロ寝したって大丈夫!
ララ=杉内さんで通し稽古開始。スクールの大道具セットも今年初登場だ。そういえば水曜日に覗いたとき、仕込みをやってたっけ。とたんにステージがタイトになった感じがする。それにしても通しは緊張するッス、やっぱし。美佐さんがシャウトしてる間に心臓バックンバックン状態になる。ただ、気のせいか抜き稽古で「はいどうぞ!」ってやらされるよりは、舞台上では落ち着いてできる気がする。その場でダメが出ない安心感?ばかな、なんてことを‥‥でもそれぐらいしか考えられない。
とにかくそんな緊張状態なのだが、それを舞台袖でぶちこわす人がいる。佳苗先生、ヘビの衣裳の上にPTAの衣裳着て、それをめくって「ほれほれ〜」とか言って見せびらかさんといて!こっちは出番寸前なの!‥‥それにつけても、今年もPTA兼森のダンサーズの早替えは大変なことになりそうだ。佳苗先生タイプの策を講じてる人は多そうだが、去年と違うのは、ヘビの衣裳がタンクトップとパンタロンをつないだようなワンピース式の衣裳なので、PTAのスカートとかの下に隠そうと思ったら‥‥そう、ときどきスカートの下から、まくり上げたヘビのウロコが見えてるのね〜。どうするんでしょ、またも戦争状態突入は必至の情勢である。
結局9時までたっぷり時間使って終了、ダメ出しも明日以降に後回しである。まあ各々「ここはこうしたほうが」とかの反省点はあると思うが、それどころか「ここだけはどうにかして!」って感じになってたのが、もはや後ろ姿まで息子そっくりになってきたカザンママの真月さん。どうもミナミ親子の絡み芝居で、あの感情移入過多症候群の沖田くんの愛情表現がリアルになりすぎてるらしい‥‥真月さん、おののく姿がまるで「金妻」のヒロインである。もしかしてやばい?
「性格」〜1月27日(土)
午後から2幕の練習。ストレッチした後は楽屋でゴロ寝‥‥はしないけど、ほとんど横になってモニターで番人さんたちの芝居を見ていた。大庭くんが出番があるかどうか微妙なところで、楽屋で試験勉強するか、下手花道でスタンバイするか迷っている。かわいい高校生である。彼がライブでドラム百裂拳をくり出している姿はにわかには想像できない。彼の母上には、またも去年のビデオで見たというわたしのヘアスタイルのことを言われた。「似合ってる」などと言われても心境複雑なのだ。
モニターで見ててもあまりおもしろくないのでこっそり客席から稽古を見た。去年とはちと趣が違うが、よく見ると今年の番人もなかなかおもしろい芝居をくり出している。去年は番人のガヤセリフが子どもたちの本セリフに被さって聞き取りにくくなったりといったことがあったからか、それに比べるとおしゃべりは控えめである。そのぶん子供とのバランスは良くなってるかも。
5時近くなってようやく3幕前半の稽古。前夜の通し稽古のダメ出しも行われる。4場のPTAの歌の後、ララとマサトさんがテーブル&マサト椅子をもって出ながら板付きしているのだが、「ハルカは手伝わないで」って言われてた。今年のミサキ家は完璧なカカア天下ってことで‥‥去年は違ったよ、フフン。
夕食をとって夜の部開始。リハーサル室でセレモニーの場面の実験練習。ガヤ芝居の練習だが、個人個人ではっきり性格付けを考えたうえで、本セリフよりも大きい声で、なおかつ2〜4人ずつで‥‥終わると他のメンバーから「どんな人か?」という批評が飛ぶ。ちゃんとキャラクターが観る人に伝わってるかどうかが勝負である。マリママ・大達っちゃんは法王の「おまえには宝がある。その声だ」のセリフに「わたしに似たのかしら〜」なんて言ってたので「謙遜しているが意外とうぬぼれ屋」、真月さんは「ヨソの家庭には関心が薄い人」、和田守さんは「ミーハー」で朋ちゃんは「朋ちゃん(ま、そのままだったから)」なおかつこの二人の盛り上がりがイマイチ押しの弱い樹理ちゃんと大嶋さんを分断するという、恐怖の悪循環コンビと化していた。それから大ホールに移ってブラス合わせ。ここでわたしにとって今年はじめてのマイクをつけた。歌でいうと「クラッシュ!」の冒頭が勝負どころだが、後で広兼先生から「あそこはマイクレベル上げてもらうけえ」‥‥すいません。低いから出ないんです。
最後にリハ室に戻って芝居の抜き稽古。管理官とかは結構やってるが教師陣は初めてだ。これがまたきびしい‥‥1場のセリフのところと、2幕最後の番人との絡み。去年の最終日に新垣さんや紀子さん(前教師A)がやってたのってこんな感じだったのかなあ‥‥。美佐さんはますます美味しくなっていく。一時カザンとの絡みで暴走を企てながらもなんとか自重してきていたが、もう教師Aとミドリ先生がゴチャ混ぜである、オレ的には。