2場
I/Oをどこかに捨てた人 〜 歌ってむずかしい

 優柔不断を左手で絵に描いたような男は結局、バスが多かったせいもあり、テノールに回ることにした。
 ここで「全然歌が覚えられん!どーしょー!」という結論では面白くもなんともないのだが、
 「はっきしいって全っ然、歌が覚えられん!ちくしょー!」という、やはり面白くもなんともない展開が男を待っていた。 
 楽譜なんて見たってわかるのは「えーと、この音はさっきの音より上に書いてあるから高いんよね」てなことぐらいで、さっぱりワヤ。音感のI/O(アイオー:入出力)端子を、男はどこかに捨ててしまったらしい。
 「生まれた時から持っちゃおらんわーね」世を忍ぶ仮の人間の母。

わくわく動物ランド 〜セカンドテノール平原の仲間たち

 えらいもんで、慣れると歌は全然覚えられなくても周りは見えてくる。
 暗黒の妖怪(オス)軍団は、バスが高校生主体、テノールは中青年主体で構成されている。中青年という言葉がわれながらウサンくさい。
 テノールはさらにトップとセカンドに分かれる。男はセカンドだ。気分は明訓高校・殿馬。
 「秘打・サンソ、イエーイずら!」
 そんなことは言わなかったが、セカンドの同志二人には(年令的に)通じそうであった。
 一人は平江氏。中学校の先生だ。
 体育の先生で、振付が入ってくるとすごそうだ。勝手にウサギ系ということにした。後に判明したところでは、14日のあいちゃん・富岡さんの担任の先生だという。富岡フリークは要チェックだ!(何を?)
 もう一人は高木氏。こちらも小学校の先生。もらった楽譜は全パート+ピアノ用で、でかいし厚いし、どこを見れば良いのか分かりづらい。男の悪戦苦闘ぶりを見ていたのか、高木氏はセカンドテノール専用の楽譜を手書きで作り、我々に授けてくれた。別に主張しなくても存在感のある、ラクダ系の先生だ。キャメルのセーターがお気に入りなのもうなづける。
 ウサギ&ラクダ&くびなが竜。どうですか?亜星さん(関口宏)。

「いつもなら」地獄

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