3場
Dance! Dance! Dance! その1 〜「上上右左」

 青汁を飲みながらお経を読む。そんな日がとうとう来てしまった。
 「振付が始まっちゃったのよ!!」ヒステリックな感情をオカマ言葉で表現してみた。まさにそんなかんじ、いわゆるひとつのSong & Danceである。
 「地球競売」「暗闇の世界」はまだよかった。曲調からしてスローだから、そう激しい動きはない。
 問題は「汚染舞踏」である。おそらく地上の天変地異をイメージした、このミュージカル中、最も激しいナンバーだ。振付の木村先生(汚染隊長!)の指導は楽しく、こっちもやる気だけは満々になってくる。が。
 まず、覚えるまでが一苦労。たとえ覚えたとしてもその通りに体が動くかどうかである。筋肉に脳はないのだ。われながらスゴイ言い訳だが、じゃ木村先生や多田先生は筋肉にあるの?脳。…ないです、スイマセン。
 最初の難関は、こう言えば経験者ならわかる「上上右左」だ。
 右の「シグマワースト・理解しにくい振付1」を見ていただきたい。「赤潮青潮」の部分の振付である。これは1セットだが、実際はこれを8呼間で3セット繰り出すのである。単純に体がついていかない!
 男が自分なりに会得したコツは、チマチマやらないこと。手だけ動かすのではなく思い切って上体ごと手を出し、その反動を利して次の動きにつなげるのだ。さあ、Join us!(何が?)

Dance! Dance! Dance! その2 〜 技は盗むもの

 次の難関は間奏の頭の部分。文章で書くと「右手を左へ、左手を右へ、右手を左へ、右手握りつぶして、左手を右へ、右手を左へ、左手を右へ、両手やや上下に開いて…」となるが(自分で読んでも分からん…)、タイミングが全然つかめない。
 文字どおり右往左往していると、最前列の女性の中に、この動きが見事に決まっている人を発見した。以来男は、この女性を心の師と仰いで精進することに…と書くとヨーダみたいだが、そんなことはない、口紅のCMに出てきそうな方である。その魅力的なくちびるから「捨てろ捨てろ!ただでも要らん!」 のセリフが飛び出すのである。暗黒の妖怪の世界は、魅惑と倒錯のワンダーランドだ。

シグマワースト・理解しにくい振付1
あかしお・あおしお

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