6場
あいちゃんズ Now, on Stage

 話が前後するが、ラストシーン、つまり6場の練習は衣装合わせと同時期に始まった。意外にも、ここで初めて子供たちとの共演である。子供たちも一人一人の衣装(といっても普段着だが)をどうするか、全体的な見映えの検討が始まっている。ステージがだんだん華やいでくる。
 だがしかし、やっぱり一番華やかなのは主人公だ。二人のあいちゃんがはじめて衣装をまとってステージに立った時、大ホールに花が咲いたようだった。いやマジで。
 本番では決して見られないのがこのダブルあいちゃんのツーショットである。この光景に男はノスタルジックなものを感じていたが、それを辿ってみると、どーもあの二人組が脳裏に甦るのだ。ピ◯ク◯ディ…いや、何でと言われても…。

子供たち 〜 一番こわいもの。でも嫌いではない

 6場のハイライトは妖怪軍団と子供たちの肉弾戦だ。男は汚染舞踏の逆紅一点、K・石倉氏とともに、さとるちゃんを「デカプリオ・タイタニック投げ」することになり、ステージの下手最前列が定位置となった。ここは結構おもしろい所だ。子供たちと、割と正面切って対峙することになるからだ。非番のあいちゃんもこの辺にいるので、まとめて威嚇しないといけない。
 ただそのサジ加減が問題だ。相手はクソガ…お子さまたち。怖がらせたくもあり嫌われたくなくもあり、ヘタに外そうもんなら冷めた目で見られる。結果的にいうとほとんどの場合、サジ加減あやまりっぱなしであった。このあたりは同志・平江先生の得意分野だ。
 男はさとるちゃんの他にもう一人、女の子をなぎ倒すことになったが、その娘(ゆいちゃん)はヒザを打ったり痛い思いをしながら、最後までニコニコ笑ってがんばってくれた。男はその、へたすりゃ親子ほども違う彼女に感謝した。どれくらい感謝したかと言うと「ゆいと地球と競売人」でもいいんじゃないかと思うくらい感謝したのだった。

デカプリオ・タイタニック投げ

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