狸の池発見伝説

日本の古い温泉と言われるものの多くは、「発見伝説」によって伝えられています。旅の高僧、名僧、修験者などによる発見伝説、傷を治していた動物発見伝説、猟人、樵など山家里人発見伝説などがありますが、元湯温泉は「温泉記の釈文」に書かれていたように、老狸が傷を治していたという動物発見伝説型です。本来温泉は自然界に湧出しています。動物が温泉を使っていても何の不思議もありません。温泉の効能を知らせるのに、人間の傷病ではなく動物の傷病に振り替えているところは昔の人の知恵のように思われます。動物発見伝説型は湯治温泉に多くみられています。

元湯温泉には、18代湯主伊藤恕介が神根哲生氏に委嘱し「温泉記の釈文」を本にした創作童話「狸の池 温泉津温泉縁起(興亜少年隊)」というお話が残っています。また、現在はさらにその創作童話に挿絵とアレンジを加え、館内閲覧用として「絵本 狸の池のお話」があります。

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