目次  研究概要  研究の実際(技術分野家庭分野 特別支援教育  まとめと今後の課題  学習指導案(技術分野家庭分野) H17年度研修会

 

第1学年2組 技術・家庭科(技術分野)学習指導案

 

日 時 

平成171028日(9:4010:30

 

 

益田市立益田東中学校 技術室

 

指導者

田 中 一 弘

 

1.題材名  生活に役立つ製品の製作〔技術A 技術とものづくり(1)〜(4)〕

2.基 盤

 

(1)題材について

   

私たちの身の周りにはものが豊富にあり、容易に手に入れることができるようになった。そのため、自分で創意工夫してものづくりをするという体験が非常に乏しくなった。「技術とものづくり」では、いろいろな材料の特性を知り加工することで、ものづくりに必要な技術を習得するばかりでなく、創意工夫する力を身につけ、自分たちの生活をよりよくしていこうとする実践的態度も養われると考える。

本題材では、導入題材としてレターラック、名札入れを取り上げている。木材、金属、プラスチックの3つの材料の加工を通して、材料の特質と工具や機器の基本的な使用方法を理解させたい。そして、このことが 2年次に生徒各自が構想した自由題材を製作させる際、作品を構想したり製作したりすることに生かしていけると考える。

 

(2)生徒について

   

 本学級は男子15名、女子16名、合計31名の構成である。学習に対して前向きで、積極的に発言・活動する生徒がおり、落ち着いた雰囲気で学習することができる。

 ものづくりに対して興味をもって意欲的に取り組みたいと思っている生徒が多い。小学校の時、のこぎりなどを使って工作した経験はあるが、家庭での製作経験が乏しく上手に道具を使いこなす自信のない生徒も少なくない。

 

(3)指導の工夫について

   

 製作においては、生徒二人一組のペアをつくりお互いに協力・援助しながら作業させる。材料の固定など安全な作業や、工具や機器の使用方法をお互い確認し合ったり、学び合ったりすることで技能の定着を図りたい。また、工具や機器の数に限りがあるので、技術室に3つの作業コーナーを設け、作業を順次行えるようにすることで、効率よく作業させたいと考えている。

 2年次の題材は、生徒個々の興味関心に応じた自由題材とし、材料の選択や加工方法について生じた課題を自分で考え判断して、主体的に解決していく力をつけたいと考えている。

3.目標

 

ものづくりに関する技術について関心をもち、生活をよりよくするために知識と技術を進んで活用しようとする。

                           (関心・意欲・態度)

 

生活と技術との関わりについて見直し、課題解決のために技術を適切に活用して工夫し創造する。

(工夫・創造)

 

ものづくりに必要な基礎的な技術を身につけ、その技術を安全で適切に活用できる。  

(技能)

 

生活や産業の中での技術の役割について理解し、ものづくりに必要な基礎的な知識を身につける。

(知識・理解)

 

4.指導計画(35時間)

年間指導計画【第1学年】

題材/指導項目 指導内容

評価規準

関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解

 

○技術と私たちの生活

 

日常生活における技術や製品
身近な製品と様々な材料
 の関連

日常生活の中の製品や製作技術に注目し進んで調べようとする。

 

 

日常生活における製品や製作技術の果たす役割を理解できる。

○資源の有効利用

製品の廃棄と処理
廃材の再利用

 

材料や製品の有効な利用方法を考えようとする。

 

 

日常生活で材料や製品を有効に活用する方法を指摘できる。

○様々な材料の性質と加工法

材料の種類と性質

材料の比較と利用

 

様々な材料に関心をもち、それぞれの特徴を進んで調べ比較しようとする。

製作材料としての特性を自分なりの視点から比較、検討することができる。

 

材料の種類、性質について理解できる。

 

材料の切断加工の方法と工具

(本時は2/2)

切断に必要な工具や切断方法を進んで調べようとする。

 

材料に適した方法で、安全に切断することができる。

材料に適した切断方法が理解できる。

 

材料の切削、折り曲げ、
 穴あけの方法と工具

切削、折り曲げ、穴あけに必要な工具・機械や方法を進んで調べようとする。

 

材料に適した方法で、安全に加工することができる。

材料に適した加工方法が理解できる。

○製作品の組立て

材料の接合方法
組立て、仕上げ

製作品の組立てをていねいに行おうとする。

 

材料を正確に接合、組立てることができる。

接合方法の特徴と,作業の方法および工具が理解できる。

○製作品の基本構想

(設計)

 

製作品の使用目的と使
  用場所

構想図の描き方

製作品の設計について関心をもち、設計する上で大切なことは何か熱心に考えようとする。

どのような点を考えて製品が設計されているか考えることができる。

等角図かキャビネット図のどちらかを使って立体をかき表すことができる。

等角図かキャビネット図のかき方について理解できる。

 

年間指導計画【第2学年】

題材/指導項目 指導内容

評価規準

関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解

 

○製作品の基本構想

(設計)

製作したい製作品の構想
使用目的にあった材料  の選択

自らの生活に役立つ製作品を自分なりに構想してみようとする。 製作品の使用目的を踏まえて適切な材料選択と構想図をかくことができる。 製作品の構想を構想図として的確に表すことができる。 製作品の構想時に検討すべき観点が指摘できる。
製作品の製作 15

材料取り
切断
部品加工
組立て、調整
塗装、仕上げ

 

工具や機器を適切に使用し、完成するまで粘り強く正確に製作しようとする。 材料の状態や生じた加工上の問題に応じて、製作の手順や製作方法を工夫することができる。 材料や製作工程に応じて工具や機器を適切に選択し正確な製作をすることができる。 工具や機器のしくみと適切な使用法、材料に応じた加工方法を理解できる。
機器のしくみと保守点検

 

卓上ボール盤の動作の観察
機械、回路の構成
動力伝達のしくみ
機器を構成する部品
保守点検のしくみ
卓上ボール盤のしくみに関心をもち、保守と事故防止に努めようとする。   明確な視点をもって、卓上ボール盤の点検と整備ができる。 卓上ボール盤における電気エネルギーの変換、回路のしくみと動力の伝達について理解できる。

技術とものづくりの未来

 

省エネルギーとリサイクル

省エネルギーとリサイクルについて関心をもち、調べ、考えようとしている。     省エネルギーとリサイクルについて理解できる。

 

5.本時の学習

(1)目標

 

○材料に応じた工具の適切な使い方を意識して、切断することができる。(技能)

(2)学習過程

 

時間

(分)

学習活動

 

教師の支援(・)と評価(□)

 

本時の学習の課題を知る。

 

プラスチック、木材、金属の切断の仕方を確認する。

材料の切断の仕方を確認し、学習プリントの記入方法を説明する。

安全面の確認を行う。

35

ペアで協力しながら材料の切断を行う。

プラスチック、木材、金属の切断を順番に行う。

 

 

学習プリントの記入をする。

ペアでお互い援助しながら作業できているか、正しく材料の切断ができているか机間指導して確認する。

 

 

材料に応じた工具の適切な使い方を意識して、切断することができる。(技能)

 

評価方法:学習プリントや観察による。

 

片付け、清掃をする。

 

6.本時の評価

 

○観点:「生活の技能」

○評価の規準:

 

 

おおむね満足できる(B)

材料に応じた工具の適切な使い方を意識して、切断することができる。

十分満足できる(A)

材料に応じた工具の適切な使い方を意識して、正確な切断することができる。

努力を要すると判断される生徒への支援

実際の動作を観察し、不十分な点、直すべき点を実演などにより再度指導し、ペアで助言・援助しながら取り組ませる。

 

○評価の方法:学習プリントと観察から、目標が達成されたかを評価する。

○研究の視点:ペアで学習したことは、本時の目標を達成するのに適切であったか。