目次  研究概要  研究の実際(技術分野家庭分野 特別支援教育  まとめと今後の課題  学習指導案(技術分野家庭分野) H17年度研修会

 

第1学年2組 技術・家庭科(技術分野)学習指導案

 

日 時 

平成171028日(9:4010:30

 

 

益3年1組 教室

 

指導者

 

T1 上原 厚子

T2 岡崎 佐智子(地域講師)

 

 

1.題材名  わたしたちの成長と家族

  家庭B 家族と家庭生活(1)(2)(5) 〕

 

〔 家庭A 生活の自立と衣食住(5) 〕

2.基 盤

 

 

(1)題材について

   

 今日の生活は、核家族化・少子化の進行や隣近所との付き合いの疎遠などから、高齢者や、幼児など他者に対する関心・理解や思いやりの気持ちが薄れる傾向にある。

 こうした中、幼児について学習することは他者を理解し、思いやりの心を育て、自己を含めた人間の成長・発達とそれに関わる家庭や社会の重要性を認識できるようになると考える。このことは、現在および将来の自分の生き方を考えていく上で意義深いと考える。

 

(2)生徒について

   

 本学級は男子18名・女子20名・計38名である。積極的な発言は少ないが、落ち着いた雰囲気で学習に取り組むことができる。

 乳幼児に関するアンケートを行ったところ「幼児が好き」・「どちらかと言えば好き」と答えた生徒は、割程度であった。しかし、「乳幼児とふれ合う機会がある」・「たまにある」と答えた生徒は割程度で、実体験として幼児とふれ合う機会は少ないのが現状である。

 

(3)指導の工夫について

   

 中学生の日常生活において「幼児」は関係が希薄な存在であり、そのために学習内容が深まりにくい傾向にあると思われる。そこで、総合的な学習の時間との関連を図り、幼児とのふれ合いを体験させることで、幼児をより身近な存在として捉えさせたり、体験先の保育所や地域の関係施設から学習内容に関連する資料を提供していただいたりして、それらを活用し、学習を深めたいと考えた。また、製作や実習においては、互いに協力し活動する場の設定だけでなく、計画・反省の過程でも、少人数のグループ内やクラス全体での意見交換の場を設定することで、いろいろな考え方にふれさせ、互いに学び合う生徒の育成を目指したい。さらに、地域講師を活用したティームティーチングを取り入れ、より細かな指導を行うことにした。

 本時では、「幼児にふさわしいおやつ」をレシピより選ぶ。この学習をするにあたり、これまでに学習した基礎的な知識や技能をより深めるため、「食生活の課題と調理の応用〔A(5)〕」との関連を図り、生徒が自分の食生活に関心をもち、よりよくしようとうとする態度を育てるきっかけの一つとしたい。地域講師とのティームティーチングで指導をすることにより、生徒の疑問やつまずきに少しでも多く関わっていきたい。

3.目標

 

保育体験を通して幼児に関心をもち、主体的に学習に取り組もうとする。

                           (関心・意欲・態度)

 

幼児の心身の発達を考え、幼児とのふれ合いや関わり方の工夫ができる。

(工夫・創造)

 

幼児の遊びや生活に関心をもち、役立つものを製作できる。

(技能)

 

幼児の心身の発達の特徴や、幼児期における家族の役割を理解する。

(知識・理解)

 

4.指導計画( 21時間)

年間指導計画【第 1学年】

指導内容

 

評価規準

関心・意欲・態度 工夫・創造 技能 知識・理解

わたしたちの成長と家族

1.

幼児期を振り返ってみよう

成長過程と家族との関わりについて考える。

・自分の成長を振り返り、関わりのあった人々について考えようとしている。

 

 

・自分の成長や生活は、家族や周囲の人に支えられていることが言える。

2.

どのように成長してきたのだろう

幼児期の体,運動機能,生理的機能の発達と特徴を理解する。

情緒や社会性について理解する。

ことばの発達とその過程を知る。

ことばの発達とその過程を知る。

基本的な生活習慣の形成について知る。

・運動機能や生理的機能の発達の過程をまとめようとしている。

 

・こころの発達や生活習慣の習得に関心を持ち、学ぼうとしている。

 

・発達の種類と過程や目安をわかりやすくまとめている。

 

・運動機能,生理的機能,情緒,社会性の発達や過程をまとめることができる。

・運動機能,生理的機能,情緒,社会性の発達について理解し、説明できる。

 

・基本的生活習慣の内容を知り、形成には家族の適切な支援が必要であることが言える。

 

3.

幼児と遊び

幼児にとっての遊びの大切さを理解する。

遊びは、幼児の様々な能力の発達を促すことを知る。

・幼児にとっての遊びの意味を知ろうとしている。

 

 

 

 

4.

遊び道具を作ってみよう

遊び道具を通して遊びの意義を確認することができる。

安全で心身の発達に適したおもちゃを製作できる。

・遊びを通して育つ能力についてまとめようとしている。

・幼児の心身の発達や安全に配慮したおもちゃを工夫している。

・安全で、幼児の能力の発達に役立つおもちゃの製作計画を立て、製作できる。

・製作したおもちゃの目的や遊び方が説明できる。

5.

幼児のおやつを作ろう

間食の意義を考えたおやつ作りができる。

 

・班で協力して、幼児にふさわしいおやつを作ろうとしている。

・間食の意義や条件をふまえたおやつを工夫している。

・不足する食品群を補うおやつを選ぶことができる。

 

・安全や衛生に気をつけ、調理できる。

・幼児期の食生活の特徴と間食の意義を説明できる。

幼児にとっての家族を考えよう

幼児期における家族の役割を知る。

 

・家族の役割を考えようとしている。

 

 

・幼児の発達を支える家族の役割について説明できる。

7.

幼児の過ごす場所を考えよう

幼児の成長を支える環境について考えることができる。

 

 

 

 

・幼児の成長を支援する施設設備や安全な遊び場の条件がいえる。

 

 

5.本時の学習

(1)目標

 

○話し合い活動に参加し、幼児にふさわしいおやつを考えようとする。

(関心・意欲・態度)

○不足する食品群を補うおやつを選ぶことができる。

(技能)

(2)学習過程

 

時間

(分)

学習活動

 

教師の支援(・)と評価(□)

 

本時の学習のねらいを確認する。

(全体での活動)

幼児の1日の献立を示し、不足する食品群を確認する。

幼児のおやつの条件を確認し、不足する食品群を補うこと、水分を補うことに着目することを伝える。

10

 

不足する食品群を補い、間食の意義をふまえたおやつを選ぶ。

(個人での活動)

おやつのレシピなどを示し、イメージが膨らむようにする。(T1)

【T1は、T2の協力を得て机間支援を行う】

不足している食品群にはどんな食品があるか提示する。
不足する食品群を補うように助言する。

 

15

考えたおやつが、ねらいに即しているか、見直しをし、班で検討する。(グループでの活動)

班で協力し、幼児にふさわしいおやつを考えようとしている。

(関心・意欲・態度)

評価方法:

生徒の活動状況の観察

 

学習プリントへの記述

 

【T1は、T2の協力を得て机間支援を行う】

・話し合い活動がスムーズに進むよう、話し合いの進め方を助言する。

20

班で実習するおやつを決定し、班ごとに発表する。         (全体での活動)

本時のまとめ

不足する食品群を補うおやつを選ぶことができる。(技能)

評価方法:学習プリントへの記述

6.本時の評価

 

○観点:「生活の技能」

○評価の規準:

 

 

おおむね満足できる(B)

不足する食品群を補うおやつを選ぶことができる。

十分満足できる(A)

不足する食品群を満たすおやつを選ぶことができる。

努力を要すると判断される生徒への支援

机間支援を行い、不足する食品群を補う食品例や、参考になる資料を提示する。

 

○評価の方法:学習プリントの記述、観察。

○研究の視点:TTによる机間支援は、生徒が課題解決を図るうえで効果的であったか。